2022.1.11
東京女子医科大学は、国内唯一の女子医大です。
「自立した女性」の育成と医学を通じた社会貢献のために設立された、伝統ある医学部であり、毎年多くの受験生が志願する評判の高い大学ですが、受験生は女性に限定されるため、その実態は意外と知られていないかもしれません。
今回は、東京女子医科大学医学部の概要と、東京女子医科大学医学部に特徴的な2つの事項を取り上げて、分析していきます。
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東京女子医科大学はどんな大学?
2019東京女子医科大学医学部の学費・授業料
1年:-円
2~6年:-円
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※調査中
東京女子医科大学はその性質上、女性しか受験しないため、「女性教育の先駆け」「女性のキャリアについて色々相談できるから良い」というような評判をよく耳にすることだと思います。
それでは、実際の東京女子医科大学はどのような大学なのか、概要として学費や入試時点偏差値の面から分析してみましょう。
気になる学費は3300万円超!平均的私立医学部並ではあるが、奨学金制度が充実
東京女子医科大学医学部の学費は6年間で3300万円超と、それなりの金額です。
平均的な私立大医学部並と言ってもよいと思いますが、やはり高額でしょう。
ただ、東京女子医科大学では奨学金制度が充実しており、給付型で月に決まった額を卒業年まで貰えるというタイプの制度がいくつもあります。
私立大学医学だから裕福な家庭の子女ばかりかと思えば、そうではなく、このような制度や各都道府県主体の奨学金制度などを利用している人も多いようです。
ちなみに、学費が6年間1850万円と、私立大学医学部の中で一番安い国際医療福祉大学ですから、一口に私立大学医学部といっても学費の差というのはかなり幅があることがわかります。
医学部に入ると、学費以外にも色々な場面で費用がかかります。
特に私立医学部の場合は、寄付金や父兄会などの会費、学債などで高額な費用がまとまって必要になることもあります。
医学部受験を考えている人は、在籍期間6年間でどのくらいの費用が総額でかかるのか、さらに支払いは「いつ」になるのか、といったことをリサーチしておくと良いでしょう。
入試時点偏差値はそれほど高くない…しかし国家試験合格率は92%と良好
東京女子医科大学の入試時点の偏差値は全医学部82校中70位と、かなり低いランクになっています。
これについては、受験生が女性に限定されることで、そもそも医学部を志望する受験生の半分程度が受験しないことになるため、相対的に偏差値は下がると考えられます。
一方、国家試験合確率は92%と比較的良好な成績であり、入学後の教育の質の高さが伺えます。
東京女子医科大学医学部・2つの特徴とは
医学部はその性質上、どの大学でも似たカリキュラムにならざるを得ませんが、大学の特徴や売り文句として、様々な所でマイナーチェンジをしています。
特に東京女子医科大学は女子大ということもあって、特徴的なポイントがいくつかあります。東京女子医科大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:日本で最初の「チュートリアル教育」!問題解決の力を早期から養う
東京女子医科大学の特徴の1つは、日本で初めて導入された「テュートリアル教育」です。
テュートリアル教育とは、「学生自身で問題発見と解決を行う新しい教育法」として、東京女子医科大学が日本で初めて導入しました。
いわゆる「Problem-based learning(PBL)」と言われるものです。
東京女子医科大学のテュートリアル教育では、学生が6~8人の少人数グループに分かれて、与えられた事例から問題点を発見して、その解決方法について、学生同士で討論し、学習します。
グループには教員が1名付き、助言役として問題解決の手助けをします。
ここでのポイントは、教員は「知識を教える役」ではないということです。
あくまでも、アドバイザーとして学生を助ける位置付けであり、これによって学生は自分の力で学びを深めることができるのです。
類似の学習形態は、現在多くの医学部のカリキュラムに導入されていますが、東京女子医科大学の特徴は、1年次から4年次まで毎週、テュートリアル教育の時間が設けられているという点です。
4年間の学習の4分の1がテュートリアル教育であるとされており、能動的に学ぶ姿勢を低学年から養います。
この力は高学年になって実際に臨床現場を経験すると、非常に重要な能力であることが実感できます。
付け焼き刃で養成される力ではないため、東京女子医科大学のように早期から教育を始めるのは非常に合理的だと思います。
在学生からの評判も高いカリキュラムの1つです。
特徴2:女性キャリアの良いロールモデルが身近に。女性キャリア教育の充実
東京女子医科大学のもう1つの特徴は、女性のキャリアを考える上で良いロールモデルとなる先輩たちがたくさん身近にいる、ということです。
昨今の医学部入試における女性差別問題でも分かるように、女性は、女性というだけで医療の現場から「爪弾きにされてきた」という現実があります。医療の現場でなくても、一般社会においても、女性は「結婚・妊娠・出産するから、戦力にならない」と追い出されてきました。
そのような差別的な社会・日本であっても、日本の医療を支える一員として女性医師が果たしてきた役割は計り知れません。
女子医学生は、男子医学生よりも、将来のキャリア形成に不安を抱いている割合が多いと言います。それは実際に医学部にいても感じることで、女子学生だけが「いつ結婚」「いつ妊娠」すれば自分のキャリアにとってより良いのか、ということに悩んでいます。つまり、女子学生たちが、医師として働く未来に抱く不安は、「ロールモデルの不足」です。
このような現実がある中で、東京女子医科大学の卒業生たちはそれぞれの進路でキャリアを切り拓いています。
卒業生ももちろん全員が女性ですから、これほど心強いロールモデルはありません。
医師の働き方は近年急激に変化していますから、先輩たちのキャリア形成が必ずしも自分に当てはめられるとは限りませんが、少なくとも女性が少なかった医師業界でキャリアを築いてきた先輩たちと近い距離に居られるというのはとても恵まれた環境だと言えます。
在校生の声でも、「キャリアの相談を、実際に現場を経験した先輩に聞きやすい」「相談しやすい体制になっている」という評判が多いです。
東京女子医科大学医学部は「研究も臨床も!」という欲張りな人にとって良い環境
東京女子医科大学医学部は偏差値自体は全医学部の中でも低い大学ですが、医師国家試験合格率は良好な成績です。
また、女性に限定された環境では、非常にのびのびと過ごすことができる、という学生の声が多く、学内の良い雰囲気が伺えます。
実際に通う学生からの評判が高いことも、この大学の特徴でしょう。
さらに、特徴的なテュートリアル教育に力を入れていることからも分かるように、臨床現場に出た時に必要とされる能力をきちんと身につけられる、「実のある」教育を受けることができます。
偏差値にこだわらず、質の高い教育を受けて良医となることを望む人にとっては、素晴らしい環境だと思います。
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