三重大学は近畿地方と中部地方にまたがるような位置にある総合大学です。
その医学部は国公立大学の中で中堅クラスの偏差値となっており、近畿・中部地方を中心に全国から学生が集まる学部となっています。
その実態はどのようなものなのでしょうか。
今回は、三重大学医学部の概要と、三重大学に特徴的な2つの事項を取り上げて、その評判などを分析していきます。
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三重大学医学部はどんなところ?
2019三重大学医学部の学費・授業料
近畿圏を中心に西日本はその面積に対して医学部の密集度が高い地域であり、特に近畿地方は国公立大学の医学部が集積するエリアです。
したがって、地元での進学を考える受験生にとっては、選択肢はとても多く、受験校を絞り込むのが難しい地域でもあります。
その中で三重大学医学部はどのような立ち位置にあるのでしょうか。
三重大学医学部の入試偏差値や国家試験の成績など、他の大学の医学部と共通する特徴や世間の評判も含めて、細かく分析してみましょう。
入試偏差値は中堅~下位クラス、国家試験成績は振るわず、進級は徐々に厳しく
三重大学医学部の入試時点偏差値は68.8、と全医学部82校中21位となっています。
この偏差値は地方国立医学部の中では上位~中堅クラスの偏差値です。
関西の進学校の中でも上位~中堅層の生徒が集まる大学、といったイメージでしょうか。
一方、三重大学医学部の国家試験合格率を見ると91%、全医学部80校中37位となっており、入試偏差値から考えるとすこし振るわない成績となっており、国公立大学の中でも平均より下位の成績となっています。
しかし、進級判定はかなり緩い状況が続いているようで、留年者数は他大学と比較しても少なめです。国家試験の成績は進級の厳しさにダイレクトに影響されるため、この辺りの指標も受験校決定の際の参考にすると良いでしょう。
医学部受験を考える時に皆さんが一番最初に注目するのは、入試偏差値だと思います。その次に立地や校風などを比較すると思いますが、多くの人が入学後に気付く重要なポイントは、生活圏の便利さや留年率・ストレート卒業率、国家試験の成績です。
これらの指標は受験生向けに大きく広報されることがない上に、医学部受験生の段階では意識が向かないのが現実です。
ほとんどの受験予備校でも、進路指導の際に取り上げられることはありません。
受験勉強に必死な期間ですから当たり前といえば当たり前なのですが、実態を知らないままに入学して後悔する、という学生は少なくありません。
期待と希望を抱いて入学する人がほとんどであるだけに、その落胆も大きいのが医学部であると言えます。6年間という短くない時間を後悔して過ごすことのないように、色々な角度から受験校を検討することをお勧めします。
キャンパスは1つ!医学部も全学と同じ敷地だが、交流は薄い
三重大学では、医学部も含めて全ての学部が同じ1つのキャンパスで学ぶことになっています。
ただ、講義や実習などのカリキュラム、部活なども医学部で独立しているため、他学部の学生との交流は薄いようです。
総合大学の医学部の場合、医学部のキャンパスは他の学部と隔離されていることが多く、1年次の間は他学部と同じキャンパスに通い、2年次からは医学部キャンパスのみに通う、というパターンがほとんどですが、三重大学ではそのようなことがないため、進級する際の引っ越しなど面倒な移動が不要です。
これは学生生活のストレスを1つ減らすことが出来るため、大きなメリットと言えます。
遠方からの受験の場合、土地勘もなく、どの辺りに住んだらいいのか、生活に便利の良い地域はどのエリアか、といったことはなかなか把握しづらいものです。
慣れない土地での不要な引っ越しなどでストレスを増やさないためにも、医学部に特有の生活事情については、丁寧に調べておくことが大切です。在校生の知り合いがいるのであれば、その人にヒアリングするのがベストでしょう。
それが難しければ、受験前に一度、1泊2日程度でいいので泊りがけで大学の周辺を散策してみると良いでしょう。
三重大学・2つの特徴とは
医学部では、どの大学も同じカリキュラムをこなすことが求められるため、大学独自の科目が設定されることは稀であり、選択できる授業はほとんど無いのが現状です。
また、医学という科学分野の特性上、研究室で扱うテーマも似たものになります。
そのような中でも、大学ごとに目玉となるような特色があり、それによって評判は変わってきます。三重大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:地域医療実習が充実
三重大学の特徴の1つは、地域医療実習が充実しているという点です。
地方国立大学の医学部であるため、地域医療に従事する医師の養成は大学の大きな役割の1つです。カリキュラムの中には、5、6年次だけではなく、入学直後の1年次から毎年、地域の医療施設での実習が組み込まれています。
後述するように、海外での実習も充実しているため、グローバルな視野を持つと同時に、ローカルな視点での医療についても理解を深めることが出来る教育を提供しています。
特徴2:半数が海外臨床実習へ!充実の研修制度
三重大学医学部のもう1つの特徴は、臨床実習の海外派遣を積極的に行なっているという点です。
6年次になると、付属の大学病院での実習を一通り終えて、各自が希望する関連病院や地元の病院などで実習を行います。
三重大学医学部ではこの期間に海外の提携大学で臨床実習をすることが可能となっています。
他の医学部でも海外臨床研修を実施している大学は多いですが、三重大学の特徴として、学年の約半数が海外臨床研修に参加することが出来るという点が挙げられます。
数名や多くても10名前後の大学が多い中で、半数の学生を海外派遣できる環境は非常に貴重で、在校生からの評判も高いようです。
医学部の学生は、他の学部に比べると留学の機会は少ないため、将来的に海外で働くことを考えている人は特に、このような制度が整っている大学に絞って受験校を決めていくのも一つの手です。
三重大学医学部で充実した6年間を
三重大学医学部は、入試偏差値は中堅クラスであり、地元の進学高校の生徒を中心として評判の高い大学です。
また、海外派遣が充実していることからも分かるように、開かれた雰囲気の大学であると言えます。留年者も少なく、教育の質の高さが伺えます。
地方大学ではありますが、6年間という短くない時間を快適に過ごすことが出来る環境が整っています。
勉学に集中して充実した学生生活を送ることが出来る良い大学だと思います。
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