長崎大学医学部の特徴とは?九州地方・中堅国立医学部の実態!

長崎大学医学部の特徴とは?九州地方・中堅国立医学部の実態!

2019長崎大学医学部医学科の偏差値

  • A判定偏差値:73
  • C判定偏差値:69
  • 出典:東進

    長崎大学は九州地方に位置する総合大学であり、医学部密度の高い西日本の中中堅クラスの医学部です。

    医学部受験生にとっては「九州地方の上位層偏差値の人が受験する大学」という印象でしょうか。

    国立大学の中では珍しい「外国人によって開祖された医学部」として有名です。

    また、原爆被災を受けた医学部でもあり、戦時中から原爆被災者への医療活動を積極的に行ってきた歴史的背景を持つ大学でもあります。

    さらに、離島のへき地医療に力を入れている大学としても評判です。

    長崎大学、その医学部の実態はどのようなものなのでしょうか。

    今回は、長崎大学医学部の概要と、長崎大学に特徴的な2つの事項を取り上げて、分析していきます。

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    長崎大学医学部はどんなところ?

    長崎

    2019長崎大学医学部の学費・授業料

  • 入学金:282,000円
  • 授業料(年間):535,800円
  • 授業料(合計):3,214,800円
  • 九州地方はその面積に対して医学部の密集度が高い地域です。

    各都道府県に1つの国公立大学に加え、私立大学も複数立地しているため、地元での進学を考える医学部受験生にとっては選択肢が広い地域と言えます。

    一方で、九州地方は医学部偏差値が低い傾向にありますが、長崎大学医学部その中で比較的高い偏差値となっています。

    他の大学の医学部と共通する特徴や世間の評判なども含めて、細かく分析してみましょう。

    入試偏差値は国立でも上位、しかし国家試験合格率はかなり劣る

    長崎大学医学部の入試時点偏差値は68.8と、全医学部82校中21位と、地方医学部という点から見てもかなり上位の偏差値です。

    西日本、特に九州地方は人口比に対して医学部が多いため、その分だけ偏差値も下がりますし、大阪・東京から離れるほど評判はよくないのが普通です。

    しかし、長崎大学はその中でも高偏差値であるため、受験生からの評判が高い医学部と言ってよいでしょう。

    一方、長崎大学医学部の国家試験合格率を見ると、88%とかなり低い成績となっています。

    九州地方は国会試験の合格率が低い傾向にありますが、これは都市部から遠く離れていて、最新の医学教育のトレンド、といったものがなかなか浸透しないことが理由の1つとして挙げられます。

    つまり、国家試験の合格率は「情報格差」の1つの指標でもあるのです。

    インターネットが普及して誰もがどこにいても同じ情報にアクセス出来るようになった、と感じるかもしれませんが、最新の情報は都市部から伝搬し、地方に届く頃には減衰して劣化しているというのが現状です。必要な情報は自分から取りに行かなければ、都市部の学生と対等に渡り合うのが難しいと言えます。裏を返せば、大学自体の国家試験合格率は低くとも、自分でネットワークを作り、情報を得ることが出来れば、十分に好成績で合格することは可能です。

    医学部での勉強は日々進歩します。

    自分なりに情報のネットワークを作り、努力を怠らないことが必要とされる姿勢です。

    長崎大学・2つの特徴とは

    疑問

    医学部は総じてどの大学も似たり寄ったりなカリキュラムであり、研究室なども同じような顔ぶれになります。

    それでも、大学ごとに個性的な特徴が生まれてきます。

    長崎大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。

    特徴1:原爆被災地として…被ばく医療へ従事する人材の育成

    長崎大学医学部の特徴の1つが、被曝医療です。

    長崎は第二次世界大戦中、広島に次いで原爆を投下された都市であり、長崎大学医学部は原爆によって被災した大学でありながら、被災者たちの救済に様々な形で取り組んできた大学でもあります。

    このような歴史的背景から、長崎大学医学部は被ばく医療の最先端の研究を行なっている大学の1つとなっており、原子力災害における医療活動の支援やそれに携わる人材の育成を推進しています。

    今や原子力は私たちの生活と切っても切り離せない、重要なエネルギー源であると共に、非常に恐ろしい災害のタネにもなっています。

    今後も原子力による災害が全く起こらないとは考えられません。

    そのような時に先頭を切って働かなければいけないのはやはり医師です。

    有事の際に求められる人材を育成する環境として、長崎大学医学部はとても恵まれていると言えるでしょう。

    特徴2:離島の多い県・長崎、へき地医療実習が充実

    長崎大学医学部のもう1つの特徴は、離島におけるへき地医療の実習が充実していることです。

    長崎は面積自体はそれほど大きな県ではありませんが、全国で最も多くの離島を有している県であり、非常に広範囲に行政区域が広がっています。

    つまり、それだけ広範囲に医療を届ける必要があり、他の都道府県とは違ったへき地医療政策が必要になるのです。

    沖縄県や宮崎県、新潟県などもそうですが、離島を持つ都道府県での医療は非常に困難を極めます。重症患者の搬送のためにはドクターヘリなどが利用されますが、そもそもその患者を搬送するかどうかを判断するためには、地域に医師が常駐して日々の健康管理をしていなければなりません。

    離島での医療においては、都会以上に「病気以前の状態から治療する」、いわゆる予防医学が重要となります。

    へき地に置かれる診療所はたいてい医師が1人で診察をして、必要があればフェリーやヘリなどで患者を町の大病院へ移送する、という診療形態になります。

    そのため、離島のへき地医療に従事する医師には非常に高度なスキルを求められるのです。

    長崎大学では、このような高度な医療人材を育成するために、学部生の早期から地域医療実習を行なっています。5年次には学生全員が離島に1週間滞在する、「離島医療・保健実習」があります。離島の病院や診療所での臨床実習はもちろんですが、住民と共に漁船に乗って、さらに小さな離島に渡る「出張診療」に同行する場合もあります。

    長崎大学のように離島での実習をメインとした地域医療実習を出来る大学というのは非常に限られています。

    将来的にへき地医療に従事したいと考えている人にとっては、非常に充実した環境と言えるでしょう。

    被ばく・へき地医療を学びたい人にとってはこれ以上ない良環境

    離島

    長崎大学は、入試偏差値は比較的高く、また立地やその歴史的背景から少し特殊な医学教育を学ぶことのできる大学です。

    被ばく医療や離島へき地医療に興味のある人にとってはこれ以上ない素晴らしい環境だと言えます。

    また、国公立大医学部としては珍しく、1年次から解剖学や生理学などの基礎医学を学べるため、詰め込みでない教育を実践している大学でもあります。

    学生生活の質を考えると良い大学であり、綜合的な評判は悪くない大学です。

    九州地方で医学部受験を考えており、質の高い学生生活を送りたい人にとっては、受験校のリストに加えても良い大学と言えます。

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