藤田医科大学医学部の特徴とは?「平均的」私立大学医学部の実態!

藤田医科大学医学部の特徴とは?「平均的」私立大学医学部の実態!

2019藤田医科大学医学部医学科の偏差値

  • A判定偏差値:70
  • C判定偏差値:66
  • 出典:東進

    藤田保健衛生大学は医療系の総合大学であり、医学部と保健衛生学部、医療科学部の3つの学部を持ちます。2018年の大学開学50周年の節目に大学名を「藤田医科大学」と変更しました。

    その医学部には最先端の研究施設設備や関連病院があり、非常に充実した教育環境を持っています。しかし、学費や偏差値の面では私立大学の中でも中間に位置することや、名古屋という立地のためか、全国的に医学部受験生が集まるといった評判は無いかもしれません。

    今回は、藤田医科大学医学部の概要と、藤田医科大学医学部に特徴的な2つの事項を取り上げて、分析していきます。

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    藤田医科大学医学部はどんな大学

    大学の実態

    2019藤田医科大学医学部の学費・授業料

  • 入学金:1,500,000円
  • 授業料(年間):2,500,000円
  • 授業料(合計):15,000,000円
  • 実験学習費(年間)
    1年:500,000円
    2~6年:1,000,000円
  • 教育充実費(年間)
    1年:1,800,000円
    2~6年:1,200,000円
  • 藤田医科大学といえば、非常に充実した設備を持つ医療系の大学として有名ですが、医学部受験生としては偏差値はそれほど高くなく、立地も東海地方ということで、あまり人気が高いとは言えない大学というイメージかもしれません。

    ここでは、偏差値といったデータや世間の評判からは少し違う角度で、藤田医科大学の実態に迫ってみましょう。

    世界水準の教育!世界大学ランキングで国内私立大学1位

    藤田医科大学は私立大学医学部ということもあってか、教育関連施設や教育体制が非常に充実しています。校舎が綺麗なのはもちろんのこと、講義室やセミナー室などのICT設備が充実しており、自習室も整備が行き届いてます。学生への資料配布などもタブレット端末等で閲覧できるようになっているようです。

    また、「スキルスラボ」と呼ばれる施設では、医学生を中心に看護師や研修医などが基本的な医療的手技を身につけられるよう、シミュレータなどでトレーニングが出来るようになっています。様々な職種の人が利用できるため、チーム医療を行う上での土壌作りとしての場にもなっているようです。

    このような取り組みなどが評価され、「THE 世界大学ランキング」では国内私立大学で第1位という高い評価を得ています。また、医学部については、JACME(日本医学教育評価機構)による国際水準の医学教育評価で日本トップレベルと認定されています。これは、アメリカ医師国家試験であるUSMLEの受験資格の1つとなるため、重要な認定です。

    医学部に入れば皆んな同じカリキュラムをこなし、同じ「医師免許」という目標に向かって勉強をするわけですが、そこに至るまでの過程は各大学によって千差万別です。藤田保健衛生大学のように教育環境が充実した医学部で過ごす6年間は、お金のない地方国公立医学部で過ごす6年間とは全く違う経験を得られる時間になるでしょう。

    大学を選ぶ上で偏差値や世間の評判は大事ですが、志望校を決定する時には、このような教育の中身についてもよく検討しておくと良いでしょう。

    「高卒枠」のAO入試を実施!現浪比率は圧倒的に浪人が多い

    藤田医科大学医学部では、「ふじた未来」の称したAO入試の枠を設けています。この枠の中では、現役生とさらに2浪までの浪人生が出願可能です。医学部医学科のAO入試では、多くの場合、現役生のみか1浪までという制約付きであることが多いのですが、藤田医科大学では比較的間口を広げた入試形式となっています。

    また、入試データを見ると、入学者における現浪比率は、現役生27.5%、1浪33.3%、2浪20%、3浪・その他19.2%となっています。ここから分かることは、私立大学医学部にしては珍しく浪人生差別などを行なっていないということです。年齢で区切らずにいつになってもチャンスがある、という姿勢を示してくれている大学は、入学後の教育姿勢にも期待が持てます。浪人生には比較的おすすめな大学かもしれません。

    藤田医科大学医学部・2つの特徴とは

    カルテに記入する医者

    医学部は総じてどの大学も似たり寄ったりなカリキュラムですが、大学の特徴や売り文句として、部分的なマイナーチェンジをすることがあり、大学のユニークさが表れています。藤田医科大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。

    特徴1:医療系総合大学ならではの他職種連携の「アセンブリ教育」

    藤田医科大学の最大の特徴は1年次からの「アセンブリ教育」と呼ばれる教育システムです。藤田医科大学には、医学部の他に医療科学部と保健衛生学部という学部が併設されています。これらの学部では看護師や理学療法士、作業療法士、放射線技師などの様々なコメディカルを養成するコースが設置されています。どのコメディカル職も医師が働く上では連携を欠かせない人達です。

    これらの他職種の人たちと連携してチームで医療を行うことを、早期から意識させて、実際に一緒に現場を体験する経験を積んでいく、という教育がアセンブリ教育の中身です。

    医師のパターナリズムから脱却し、コメディカルとのチーム医療が当然となった今、このような教育を取り入れるのは、非常に合理的なことだと思います。それなりの規模でコメディカル養成の学部を併設する藤田医科大学だからこそ出来ることかもしれません。

    医学部医学科の学生は他学部と隔離されたキャンパスで6年間を過ごす場合が多く、1年次からこのような意識を育ててくれるのはとても貴重なことだと言えるでしょう。

    特徴2:進級は厳し目!学習環境が良い分、評価はそれなりにシビア

    藤田医科大学のもう1つの特徴として、留年数が多いことが挙げられます。各学年10人前後とそれなりの数が毎年留年しているようです。

    ICTの整備充実など学習環境が良い医学部ですが、その分だけ評価は厳しいということでしょうか。日々の勉強を怠ることなく、素晴らしい学習環境を存分に利用すれば進級できるレベルではあると思います。

    私立大学医学部の傾向の1つと言えるかもしれませんが、藤田医科大学では教員と学生の距離が比較的近く、教員の面倒見が良いという評判があります。日々の学習で困ったことなどが相談しやすい環境を上手に利用して学びを深めていくことが、学生には求められていると言えるでしょう。

    教育の質が高いということは、それだけ輩出する人材のレベルも高度に要求されます。進級が厳しいのも頷けるかもしれません。

    藤田医科大学医学部は質の高い医学部生活を送りたい人にオススメの大学

    挙手をする学生

    藤田医科大学医学部は偏差値自体は私立大学医学部の中でも中間くらいのレベルであり、学費もそれほど安くはありません。「私立大学医学部の平均」といった評判だけを聞いていると、積極的に受験したいという大学ではないのかもしれません。

    しかし、私立大学ならではのきめ細かいサポートと充実した教育設備で、質の高い医学部生活を送れるようなシステムが出来上がっている、先進的な大学です。

    また、浪人生が多く入学していることからも分かるように、差別的な入試を行なっていないと思われる、誠実な姿勢も見えます。

    質の高い教育を受けて、充実した医学部生活を送りたい人にとっては、一度は志望校のリストに加えてみる価値のある大学だと思います。ここでの6年間は医師になってからも貴重な宝物になることでしょう。

     

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