2022.1.11
和歌山県立医科大学は近畿地方の南部に位置する医科単科大学です。
その医学部は国公立大学の中でも上位クラスの偏差値となっており、近畿地方を中心に全国から学生が集まる学部となっています。
その実態はどのようなものなのでしょうか。今回は、和歌山県立医科大学医学部の概要と、和歌山県立医科大学に特徴的な2つの事項を取り上げて、その評判などを分析していきます。
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和歌山県立医科大学医学部はどんなところ?
2019和歌山大学医学部の学費・授業料
近畿圏を中心に西日本はその面積に対して医学部の密集度が高い地域であり、特に近畿地方は国公立大学の医学部が集積するエリアです。
したがって、地元での進学を考える受験生にとっては、選択肢はとても多く、受験校を絞り込むのが難しい地域でもあります。
その中で和歌山県立医科大学医学部はどのような立ち位置にあるのでしょうか。
和歌山県立医科大学医学部の入試偏差値や国家試験の成績など、他の大学の医学部と共通する特徴や世間の評判も含めて、細かく分析してみましょう。
入試偏差値は上位~中堅クラス、国家試験成績は良好も、進級は厳しい
和歌山県立医科大学医学部の入試時点偏差値は68.8、と全医学部82校中21位となっています。
この偏差値は地方国立医学部の中では上位~中堅クラスの偏差値です。
関西の進学校の中でも中堅層の生徒が集まる大学、といったイメージでしょうか。
一方、和歌山県立医科大学医学部の国家試験合格率を見ると93%、全医学部80校中20位となっており、入試偏差値から考えると妥当な成績となっており、国公立大学の中でも平均より少し上くらいの成績となっています。
しかし、進級判定は年々厳しくなっているようです。
留年者数は他大学と比較しても同程度か、少し多いという年が続いています。
国家試験の成績は進級の厳しさに影響されるのが通例なのですが、和歌山県立医科大学では国家試験の成績に関わらず、進級が厳しい校風のようです。
進級が厳しい、と一口に言っても、その中身は様々です。
単純に学生の学力が低いために大量の留年者を出さざるを得ないのか、試験の質が悪い(本質的でない・専門的すぎる問題を出す等)ために落単者が多いのか。
このようなことはHP上に掲載されている数字からは読み取ることは出来ません。
実際に通っている学生に聞いてみるしかないのです。
医学部受験を考える時に皆さんが一番最初に注目するのは、入試偏差値だと思います。
その次に立地や校風などを比較すると思いますが、多くの人が入学後に気付く重要なポイントは、生活圏の便利さや留年率・ストレート卒業率、国家試験の成績です。
これらの指標は受験生向けに大きく広報されることがない上に、医学部受験生の段階では意識が向かないのが現実です。
ほとんどの受験予備校でも、進路指導の際に取り上げられることはありません。
受験勉強に必死な期間ですから当たり前といえば当たり前なのですが、実態を知らないままに入学して後悔する、という学生は少なくありません。
和歌山県立医科大学のように「国家試験成績は良いのに留年者は多い」といったような、数値からは見えない実態がある大学もあります。
期待と希望を抱いて入学する人がほとんどであるだけに、その落胆も大きいのが医学部であると言えます。
6年間という短くない時間を後悔して過ごすことのないように、色々な角度から受験校を検討することをお勧めします。
医科単科大学特有の小規模な雰囲気。専門教育は1年次から、教養の選択も少なめ
和歌山県立医科大学は医学部と保健看護学部の2学部からなる医科単科大学であるため、総合大学の医学部と比較するとかなり小規模な雰囲気の大学です。
医科単科大学の多くがそうであるように、専門教育は1年次から行うという、前倒しスケジュールであり、教養教育の選択肢も少ないようです。
専門教育が早めに開始される点については、人によって良くも悪くもなるため、受験校決定の際には、各大学のシラバスを比較してみて、どのようなスケジューリングが自分に合っているのかを検討してみると良いと思います。
和歌山県立医科大学・2つの特徴とは
医学部では、どの大学も限られた時間で同じカリキュラムをこなすことが求められるため、大学独自の科目を設定することは難しく、選択できる授業がほとんど無いのが現状です。
また、医学という科学分野の特性上、研究室で扱うテーマも似たものになります。
そのような中でも、大学ごとに目玉となるような特色があり、それによって評判は変わってきます。和歌山県立医科大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:海外留学の機会が多い!
和歌山県立医科大学の特徴の1つは、海外留学の機会が多いことです。
医学部では3~4年次の間に、3ヶ月から半年程度の研究室実習がカリキュラムに組み込まれています。この研究室実習は通常、学内の基礎医学系研究室に配属されて行いますが、一部の大学では海外の研究施設でも研修を行っており、和歌山県立医科大学でも、海外での研究実習のチャンスが与えられています。
アメリカやシンガポールなどで基礎医学分野の研究に触れ、最先端の医学研究を肌で実感することが出来ます。
また、5年次には病院などで臨床実習を行いますが、この時にも1ヶ月程度、海外の病院で臨床実習を行うことが出来ます。
昨今はアメリカの医師免許取得を考える日本人学生も増えてきており、このような実習経験は海外での就職活動にも活きる、貴重な経験と考えられます。
特徴2:臨床実習が充実!低学年から現場を実感できる
和歌山県立医科大学医学部のもう1つの特徴は、臨床実習の充実です。
1年次には早期臨床体験実習や地域福祉施設体験実習を行い、2年次には保育園や障害者福祉施設などを訪ねて現場を体験します。
また、臨床現場で必要なスキルをシミュレーターを用いて身につけられるよう、「臨床技能研修センター」が併設されており、実際の現場に出る前から、技術を向上させられる環境が整っています。
特徴3:「大学院準備課程」で学部生のうちから医学博士を目指す
和歌山県立医科大学では、「大学院準備課程」というコースが設けられており、ここでは医学部に在籍しながら大学院での研究を行ったり、大学院の講義を履修することで大学院の課程を先取りすることが出来るようになっています。
他の大学医学部でも似たようなコースとして「M.D-Ph.Dコース」がありますが、和歌山県立医科大学では、特徴としては、大学院進学には学部生のうちに論文を1編以上書き上げるという条件があることや、コース登録には1年次から4年次まで複数回のチャンスがあるということです。
論文を書き上げるというハードルはありますが、入学後すぐに参加表明をしなくとも3年次の途中で「基礎研究をしたい!」と志した場合でも参加するチャンスがあるというのは魅力的です。
和歌山県立医科大学医学部で充実した6年間を
和歌山県立医科大学医学部は、入試偏差値は中堅~上位クラスであり、関西の進学高校の生徒を中心として評判の高い大学です。また、留年者は比較的多めですが、国家試験の成績は良く、研修病院としての評判が良い大学でもあります。
立地的にも大阪に近いですが、大学自体は郊外にあるため、静かな環境で勉学に集中して充実した学生生活を送ることが出来る良い大学だと思います。