医学部の志望理由書の書き方と例文、合格に近づくための考え方

医学部の志望理由書の書き方と例文、合格に近づくための考え方

医学部をはじめとする大学の医系学部を受験する人が最初にぶつかる「志望理由書」という壁。

学校や予備校では「自分の体験をふまえて将来の話を~」という志望理由書の書き方を教えられますが、それでもよくわからないという人は多いはずです。

はっきり言って、合格できるかさえ分からないのに将来の話をするのは馬鹿らしいような気もしますが、この志望理由書の内容は何よりも重要です。

今回は、医学部の志望理由書の書き方について例文をふまえつつ紹介していきます。

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医学部受験は志望理由書で決まるって本当?

医学部受験の鬼門とも呼べる「志望理由書」は、面接にも直結しやすく、かつ大学にとっての「受験者を落とすための理由」ともなります。

チープな理由では医者になりたいという意思が見られないために合格することは困難であろうし、かといって合格するために思ってもいない志望理由をつくったとして、大学は容易に見抜いてしまいます。

つまり、志望理由書を書くうえで何よりも大切なのは誠実さということになりますが、あまりにも素直に書くとそれはそれでどうなの、と思ってしまいますよね。

志望理由書で合格へ近づくためには?

そんなとても難しい志望理由書ですが、実は書き方を理解してしまえば容易いものです。

厳密に言うと違いますが、志望理由書も大まかに考えてみると「序論→本論→結論」の3段階で書き上げることができます。

この3段階は、言い換えてみれば過去→現在→未来の話でもあります。
それは、「序論」で自身の医学部を目指す切っ掛け(過去)の話、「本論」でどうしてこの大学を志望しているのか(現在)の話を、「結論」で大学に入学したらどうしたいか(未来)と並べていくためです。

書き始める前に準備しておきたいこと

志望理由書の構成について先に触れましたが、実際に書き始める上で準備しておきたいことがいくつかあります。

その1 志望校の志望理由書の要項を確かめる

既に確認済みかもしれませんが、文字数と内容について再度確認してみましょう。
例えば東京大学理科Ⅲ類の志願理由書は「200字以内」で「志願理由および自己アピール等」が条件となっています。

200字を守ることは容易ですが、内容について少しズレた回答をする志願者が多いらしいのが受験界隈。条件と逸れたことを書いていないかは常に確かめながら書き進めていく必要があります。

さらにやりやすくするなら、文字数の配分を考えるということもできます。
200字だといささか難しいですが、800字程度の文字数であれば、序論で200字、本論400字、結論200字程度が黄金比的であるように思われます。文章量のさじ加減は好みに合わせて変えることができます。

その2 医者になりたい「純粋な理由」と「建前」を考える

いきなり身も蓋もないような話となりますが、どうして医者になりたいのかしっかりとした理由はありますか?

感動的な話でなくとも医者を目指そうと思った具体的な理由があるならそれでいいですが、もし「医者は職業として安定しているから」だとか「親が医者だから何となく」だとかで医者を目指すのであれば(その理由をそのまま使うのは別に悪いことでは無いですが)なんだか心証的に悪いような心地がしますよね。

本当の理由が言えないなら、建前をつくるしかないでしょう。
この建前というもの、本音を回避できる上に上手くいけば合格への確実な足掛かりになるという非常に大きいリターンを期待できますが、失敗してしまえば面接時に追撃のチャンスを与えてしまいますし、何よりも嘘をついたという罪悪感と大学側に悪い印象を与えるかもしれない、というリスクがあります。

ハイリスクハイリターンの戦いも悪くはないですが、確実なのは自分なりの理由があるということ。
どうして医学部を志望するのか、しっかりと自分の言葉で説明できますか?

その3 将来展望を考える

合否も分からないのに6年先だのを考えるのは、なんというかとても不毛なことをしている感覚があるかもしれません。

しかし志望理由書を書くうえで必要なことですから、暫定的な将来展望について考えてみましょう。
この時重要なのは、先に考えた「医者を目指す理由」との繋がりを持たせることです。一続きで考えると良いかもしれません。

ここで矛盾点や繋がりが無ければ考え直しましょう。この過去と将来の繋がりは志望理由書を書く上で重視しますし、現在はこの繋がりから発生します。

志望理由書の書き方 完全攻略

準備が万全なら、早速志望理由書に取り掛かりましょう。

この時、読み手側から見ても「面白い文章」であることを意識するようにしてください。
これは読み手側、つまり大学サイドは貴方の志望理由書の他にも何人もの志望理由書を読むため、どれだけ良い内容でも、魅力的な文章でないと他の人の志望理由書に埋もれてしまうからです。

出だしでオトせ「魅力的な過去と夢」の序章

出だしで掴むのは最早常套句とも言えるほどに使い古された作法だといえます。しかし古典的なこれ、存外効果が大きいです。

言葉選びを変えるような派手派手しい変化ではなく、ほんの少し入れ替えてみるだけでも効果があります。
例文をあげるなら、「△△△という理由から、〇〇のような医者になりたい」よりも「私は〇〇な医者になりたい。それは△△△△が切っ掛けで」というように、結論と理由を入れ替えてみるだけでぐっと文章としての”掴み”が良くなります

序論において行うのは医者になりたい理由とどんな医者を目指すのかという個人的な話です。
この時大切なのは、説明しすぎないこと。
説明は後々に行うのですから、少し言葉足らずなくらいで「つまりどういうことなんだ?」と相手に思わせる程度の説明にとどめておきましょう。

媚びないで淡々と大学を語る本論

本論では主に大学について書きますが、ここで書くべきは二つ。①どうしてこの大学なのか②大学に入ったらどうしたいか、です。
特に重要なのは①どうしてこの大学なのかであり、ここがよく面接で問われます。

序論との繋がりを持ちながら、自分の考えを表明する。さらに大学入学後にしたいことで追い打ちをかけましょう。
入試において大学側は生徒を入学させることで得るメリットを勘定に入れています。「この生徒が入学したら、大学の評価に繋がるかも」と思わせたら”勝ち”です。それとなくアピールしておきましょう。

トドメの一言、テンプレでも可の結論

全体の締めとなる結論は、「…以上の理由から私は貴学を志望する(入学を希望します)」のような言葉で終わりましょう。
大切なのは結論よりも上の文章なのですから、きちっとした締めさえ行っていれば大丈夫です。

ここまで書き終わったら、1日2日おいて読み返してみましょう
違和感が特に無ければ先生や塾の講師など少なくとも3人以上の人に校正をお願いしましょう
校正時にこれだと医師になる動機として不十分だ、などと言われる可能性もありますが、相手は医師免許を持たない一般人です。確固たる意志があるなら、必要なことだけ耳に入れればいいのではないでしょうか。

注意点と確認すべきこと

注意点としていくつかありますが、一番重要なのは文章全体に一貫性があるかでしょう。

他人に憧れられるような医者になりたいと言いながら、どうしてそう思うようになったのか説明がおざなりだったり、発言が二転三転していたら医者としての信用問題沙汰になりかねません
各所方面に目を向け気を配りながら志望理由書を書き進めましょう。

他にも、面接で突かれそうな所を潰していくというのも必要です。
例えば、医者を目指す理由として「過去の入院経験」を挙げ、「そこで優しく真摯に対応してもらったから憧れた」ためとしたら、「1分1秒の世界なのだから一人一人の患者に優しくするほどの余裕はない。看護師じゃダメなのか?」と返されてしまうかもしれません。

医療ドラマで見るような華やかな面だけ見ていないか?本当に医師になりたいか?他の大学他の学科じゃダメなのか?どこから質問されるかわかりません。不備のないように何度でも考えてみましょう。

まとめ

ここまで医学部入試出願時に提出する志望理由書の書き方についてまとめてきました。

志望理由書は前準備から書き終わりまで多大な時間を使います。
制限された文字数内にどうして医者になりたいのか、どうしてこの大学か、自分は何をしてどういう医者になりたいのか、と山のような話を折り込みます。しかもこれを基にした面接まであるのですから、その労力ははかり知れません。

ここで一つテクニックですが、面接まで確実に行くつもりであればあえて突っ込み所を残すのも手です。
聞かれた質問に完璧に回答する。そこまで確実に手が回れば結果は言うまでもないのではないでしょうか?

 

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