宮崎大学は九州地方に位置する総合大学であり、医学部密度の高い西日本の中では中間~下位クラスの医学部です。
医学部受験生にとっては「九州地方の中間層偏差値の人が受験する大学」という印象でしょうか。
また、総合大学とは言っても、医学部のキャンパスは本学とは離れており、ほとんど単科大学のような雰囲気の大学です。
宮崎大学、その医学部の実態はどのようなものなのでしょうか。
今回は、宮崎大学医学部の概要と、宮崎大学に特徴的な2つの事項を取り上げて、その評判などを分析していきます。
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宮崎大学医学部はどんなところ?
2019宮崎大学医学部の学費・授業料
西日本、特に九州地方はその面積に対して医学部の密集度が高い地域です。
各都道府県に1つ国公立大学にが設置されていることに加え、私立大学の医学部も複数あるため、地元での進学を考える医学部受験生にとっては、選択肢が多い地域と言えます。
一方で、九州地方の医学部は入試時点の偏差値が低い傾向にあります。
宮崎大学医学部はその中でも中間から下位クラスの偏差値です。
他の大学の医学部と共通する特徴や世間の評判なども含めて、細かく分析してみましょう。
入試偏差値は中堅から下位クラス、国家試験合格率は振るわず
宮崎大学医学部の入試時点偏差値は66.5、全医学部82校中46位となっています。
この偏差値は地方医学部という点から見ると平均から少し下くらいの数字です。
九州地方の医学部は入試偏差値が低い傾向にあるため、その中でも中堅から下位層の学生が集まる大学と言ってよいでしょう。
西日本、特に九州地方は人口比に対して医学部が多いため、その分だけ偏差値も下がりますし、大阪・東京から離れるほど受験生からの評判は良くないのが普通です。
一方、宮崎大学医学部の国家試験合格率を見ると、87%と下位クラスの成績となっています。
九州地方は国会試験の合格率が低い傾向にありますが、その中でも宮崎大学は低めの成績と言えます。
地方医学部の中でも特に九州地方の医学部の国家試験合格率が低い理由としては、都市部から遠く離れていてるため、最新の医学教育のトレンドやより良い国試への取り組み方・効率の良い勉強法といった情報がなかなか浸透しないことが挙げられます。
つまり、国家試験の合格率は「情報格差」の1つの指標でもあるのです。
インターネットが普及したことによって、いつでも・誰でも・どこにいても、同じ量の、同じ質の情報にアクセス出来るようになった、と思われるかもしれません。
しかし、最新の情報は都市部から伝搬し、地方に届く頃には減衰して劣化しているというのが現状です。
必要な情報は自分から取りに行かなければ、地方の医学部学生は、都市部の学生と対等に渡り合うのが難しいと言えるでしょう。
しかし、これは裏を返せば、大学の国家試験合格率は低くとも、他大学の医学部の友人を作ったり、都市部で開催されている勉強会や学会などに積極的に参加して、広い情報のネットワークを作ることが出来れば、好成績で合格することは十分に可能です。
医学部での勉強は日々進歩します。自分なりに情報のネットワークを作り、毎日の努力を怠らないことが必要です。
立地に注意!地方医学部生活は自動車が必需品に
宮崎大学医学部のキャンパスは最寄りの駅などからは離れているため、生活する上で必要な買い物をしたりするのには自動車が必需品となる場所です。
バスや電車などの交通の便が悪く、自家用車しか移動手段が無いエリアもあります。
地方大学医学部に進学するとよく目にすることですが、運転免許を取得前に自分の地元で自動車を購入し、免許を取得したらすぐに大学のある県に自動車を持ってくる、という人が多くいます。
1学年100人の学生がいると、おそらく半分くらいの人が自分の車を持っている、という状況です。
入学すると多くの先輩に「運転免許は1年次のうちに取得するべき!」と何度も言われると思います。
多くの医学部は2年次から基礎医学の教育が始まり、それ以降は授業も詰め込み、実習が始まると放課後や夜間の呼び出しなどもあり、自動車学校等に通う時間はまず無いと言って良いでしょう。
1年次の間に機会を逃すと、次のチャンスは6年次の春休み、国試が終わった後の1ヶ月間です。
立地の悪い地方都市の医学部に進学する場合は、自動車が生活必需品となることが往々にしてあります。
評判の良い大学であっても、不便な場所での学生生活はストレスの元です。
進学先を考える時はこのことも考慮しておくと良いでしょう。
宮崎大学・2つの特徴とは
医学部は総じてどの大学も似たり寄ったりなカリキュラムであり、研究室なども同じような顔ぶれになります。
それでも、大学ごとに個性的な特徴が生まれてきます。宮崎大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:留年率が国公立医学部でもトップクラス!ストレート卒業率は低め
宮崎大学医学部の特徴の1つは高い留年率です。
地方国公立大学の中でも留年者の数は非常に多く、ストレートで卒業できる割合は7割に満たないなど、かなり厳しい環境であることが伺えます。
留年している人が多い原因には色々な要素が絡んでくるため、一概には言えませんが、留年者の多い医学部はやはり成績判定や進級判定が厳しく、国家試験の合格率も低い傾向にあります。国家試験の合格率が下がると、その分下級生への締め付けが厳しくなり、さらに留年者も増加、という負のスパイラルに陥っている大学は、国公立・私立を問わず多くあります。
進学先を考える時には、評判なども重要ですが、留年者の数やストレート卒業率についてもよく調べておくと良いでしょう。
特徴2:国際交流が充実!提携大学での研究室研修も可能
宮崎大学医学部のもう1つの特徴は、国際交流の充実です。
タイなどを始めとする各国の大学に提携大学があり、短期・長期での留学が可能です。
医学部の学生は長期の留学をすることが難しいのが一般的ですが、4年次に行われる研究室研修では、希望する学生は海外大学の研究室で研修することが出来ます。
将来的に研究医を目指す人でなくとも、海外での研究の経験は非常に貴重ですし、今後の進路にも良い影響をもたらすことと思います。
宮崎大学医学部で郊外の静謐な環境で勉学に打ち込む6年間に
宮崎大学医学部は、入試偏差値は中間層であり、国家試験の合格率も低めの医学部です。
立地は閑静な郊外にあり、不便なようにも思えますが、住居や交通手段の便を工夫すれば、学生にとっては住みやすい街に立地しています。
静かな環境で勉強に集中できる学生生活を送りたい人にとっては、ぴったりの環境だと思います。