医学部受験というのは高校生や浪人生のもの、と思われている人が多いかもしれません。
しかし実際には社会人から入学した人もいます。
大学を卒業した、もしくは大学を卒業見込みの社会人から医学部へと入学する方法には『一般の受験生と同じく試験を受ける』のほかに『学士編入』という編入試験があります。
しかし学士編入を使って医学部に入学する人の絶対数はそれほど多くありません。
そのためかあまり学士編入が知られておらず、医学部受験や医師になる夢を捨てる人も少なくありません。
今回はそんな『学士編入』について、選抜方法や試験時期など色々な大学の例を使って説明します。
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学士編入とは
医学部の学士編入とはその名の通り『学士』を取得した人、および取得見込みの人が医学部の途中から入学できる制度です。
私が知っている学士編入の学生は薬剤師の方や医療系を卒業して社会人になった後に医学部に入り直す人が多いです。
基本的には一般教養系の授業をスキップして専門科目から授業を受ける大学が多いです。
大学によって授業の進行速度がまちまちなためか大学によって入学できる時期や編入試験の内容、選抜方法は大きく異なります。
それでは学士編入の特徴を見ていきましょう!
国公立大学が多い
年によって募集年度や募集しない場合もありますが、私立大学は学士編入をしている大学はとても少ないです。
2~3校ほどの大学しか学士編入を行っていません。
しかし国公立大学は実に30校以上の大学が学士編入試験を行っています。
しかも募集人数も私立大学より多く、2019年度の滋賀医科大学は17人の枠(うち地域枠5名以内)があります。
入学時期が大学によってバラバラ
先にも述べた通り、大学の授業の進行速度やカリキュラム、授業方法などが大学によってバラバラなため、学士編入の入学時期というのは大学によってまちまちです。
例をあげるのであれば、
東京医科歯科大学 2年次前期
滋賀医科大学 2年次後期
北里大学 1年次後期
名古屋大学 3年前期
といった具合です。
もちろん名古屋大学のように大学の在学年数が少ないからといって楽になるというわけではなく、普通のカリキュラムよりも少ない年数で勉強しつつ実習や研究を行うので、むしろとても大変です。
ちなみに入学時期がバラバラなため、受験時期もバラバラなので、必ず各自で調べましょう。
とても真面目で優秀!
これは客観的というよりも、私が学士編入を行う友人や私自身が学士編入した人と授業や実習を一緒に過ごした経験からです。
学士編入したということは、一度大学を出てさらにそこから勉強して医学部へと入学した人です。
なので医学部の一般受験生にたまにいる『親に言われて受けただけで別に医学部に興味はない』といった人はいません。
あとでお話しますが、編入試験には外部英語試験(TOEICなど)で高得点を取る必要がある大学もあり、学士編入生はその場合、英語での議論も容易くこなしてしまうのです。
また医師への夢も人一倍強く、勉強により一層勤しむ学生がとても多いです。
私の大学も学士編入を行っているのですが、学士編入生はずっと成績最上位層にいます。
学士編入の試験とは
ここまでは学士編入の特徴をあげていきましたが、次に学士編入の試験についてお話します。
こちらも大学によって必要な試験や資格、選抜方法が異なるので、実際に学士編入を受験しようとしている人は自分の受験する大学の公式サイトから自分で確認をしましょう!
学力試験
基本的に、どこの大学の学士編入にも学力試験はありますが、科目が大きく異なります。
東京医科歯科大学 自然科学総合問題(英語での出題あり)
滋賀医科大学 総合問題(物理学・生物学・化学・統計学など)・英語
北里大学 数学・化学基礎・生物基礎・英語
東海大学 英語・適性試験
選抜方法の中で学力試験は大体、この5種類に分けられます。
東海大学にようにそれほど学力試験は重視しないような大学もあれば、北里大学のように一般受験生と同じような試験ガッツリ行うような大学もあります。
ただどの大学にも言えることですが、特に英語は必須です。
英語のいらない学士編入試験はほぼ無いです。
次いで必要なのが生物です。
この生物の中身も大学により、医学生が在学中に習う基礎系のみ、というところもあれば高校範囲の生物基礎を含む大学もあります。
編入試験を受ける大学を選ぶ際は、学力試験の中身についても調べると良いでしょう。
小論文・面接
色々な選抜方法がありますが、全ての大学の編入試験に小論文と面接はあります。
小論文は一般受験とほとんど同じか近いもので、面接もそれほど大きくは変わりません。
個人面接のみの大学もありますし、個人面接とグループ面接を何度も行う大学もあります。
ただ学士編入に特徴的なものというと『自身の卒業研究』や『社会人で経験したこと』などが聞かれることが多いようです。
一般受験生でいうところの『高校での委員会』のようなものです。
そのため「学士編入で医学部行くし、いまやってる卒業研究は適当で良いか……」とやると痛い目をみます。また医師と卒業研究がある程度関連していると面接がやりやすい、と言われているようです。
医学部学士編入に必要なもの
それでは、医学部学士編入は何があれば合格できるのでしょうか?
もちろん『これがあれば必ず合格する』というようなものはありませんが、あった方が得するものについてお話します。
1にも2にも試験
昨今、年齢や性別で差別がある医学部ですが、学士編入は基本的に性別についての差別はほとんどありません。
また自身のいる学部や学歴はさほど影響しません。
それよりも、試験です。
編入試験の筆記と面接で良い点数を取ること、それが最重要です。
医学を学ぶことへの強い意志
学士編入試験では一般受験よりも医学への強い志を求められることが多いようです。
また大学のアドミッションポリシーにもよりますが、研究医を積極的に育成しようとしている大学もあり、そういった大学の場合は研究医への志が必要になります。
学士編入を通り抜けるために
医学部学士編入試験は希望人数が少ないものの、枠も少ないため、倍率は二桁倍が普通の門戸の狭い試験です。
しかし同期入学の普通の医学部生よりも遅い時期に入学できたり、在学時期を短くできたり、とメリットが沢山あります。
何より、学士編入したからといって馬鹿にする医学生はいませんし、皆授業や実習を通して仲良くしています。
もし、これを読んだ貴方が少しでも医師への夢があったなら、学士編入試験について調べてみてください。
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