皆さんは医学部と歯学部の違いを明確に理解できていますか?
もちろん歯学も医学の一領域ではありますが、ではなぜ歯学部だけが医学部から切り離されているのでしょうか?
これが正解、という答えはないのですが歯学部は医学部とは違う側面が多くあり医学から独立して差支えないというのが大枠の解答でしょう。
今回の記事では医学部と歯学部の違いについて解説しながら、特に歯学部だけの特徴と要求される能力について述べていきたいと思います。
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歯学部と医学部の共通点・相違点は?
歯学も大きな枠組みでは医学であるので、歯学部と医学部では多くの共通点があると同時に大きく違う点も多くあります。
この章では両者の共通点と相違点についてカリキュラムなどを参考に解説していきます。
歯学部も医学部も基礎医学、及びメジャー臨床医学は共通して学ぶ!
歯学部、あるいは医学部に入学するとわかるのですが、入学してから二年次までは両学部の学生が履修する科目はほとんど同じで、大学によっては講義の担当講師まで同じです。
具体的には解剖学、生理学、生化学、病理学を始めとする生命を理解する上で必須の基礎医学及び内科学や外科学、眼科学などは両学部とも共通してカリキュラムに組み込まれています。
これらの科目に関しては扱う部位に関係なく医療に携わるものとしては必ず知っておかなければならないためカリキュラムに入っているのでしょう。
実際、専門書を読んでも生化学や生理学の知識がなければ全く理解できません。
なお解剖学実習では歯学部でも全身の解剖を行います。
歯学部は口腔医学を徹底的に深く学ぶ!
歯学部と医学部の最大の違いとは、医学部が全身の疾患や異常を学ぶことに対して歯学部では顎周囲、とりわけ口腔内の医学についてとことん深く学ぶことでしょう。
逆に医学部では口腔医学はほとんど学びません。
もう一つの大きな違いとして、学生時代において医学部はどちらかというと知識が重要になることに対して、歯学部では豊富な知識はもちろん技術(skill)が相対的に重要になるということです。
というのも歯科医師になると業務の大半が高い技術と細やかな手捌きが要求される治療になるからです。
ただ知識だけ詰めていても腕が伴っていなければ臨床では役に立たないのです。
医学部がだめだから歯学部は止めた方がいい
実際の受験現場では、予備校の職員や両親から「医学部は厳しそうだから歯学部にしなよ」という助言を受けることが多いようです。
しかし、私はこのアドバイスはあまり好ましくないと思います。
というのも、先ほど述べたように医学部と歯学部では求められるものの方向性がかなり異なるからです。
指先が不器用で、かつモチベーションが低い人が歯学部に入っても恐らく授業についていきませんし、臨床の腕を上げることは困難でしょう。
加えて口腔周囲の神経は脳に近いため、感染症を起こすと中枢への移行は早いことからも歯学は一般的に思われているよりもずっと命を左右する、責任が大きい学問であることがわかります。
これはどこの学部に入るにしても言えることですが、医療系では特に自分が納得して進学することが何よりも大切になってきます。
歯学部や医学部は6年間も大学に通うわけですからね!
歯学部の全体としての特徴
ここからは歯学部そのものの特徴にスポットライトを当てていきます。
歯学部に入ることで取得できる資格や現場の治療ではどこまで踏み込むのか、要求される能力、卒後のキャリア形成について解説していきたいと思います。
取得できる資格・現場の治療の様子
歯学部に6年間通い、国家試験を合格することで歯科医師免許を手に入れることができます。
歯学部での6年間は歯科医師免許を入手するためだとも言えます。
この免許を持つことで初めて歯医者としての治療を行うことが国から認められます。
歯医者に通っている人なら容易に想像できることですが、現場での主な業務は患者の口腔内の治療や予防、清掃などになります。
しかし、それだけではなく必要になれば全身麻酔や呼吸管理、死亡診断書を書くことだってあります。
歯科医師の仕事はみなさんが思っているよりも多様性を持っていることが、おわりいただけたのではないでしょうか?
歯科医師はコミュニケーションが命!
歯医者は高いコミュニケーション能力がないと食べていけないと聞きます。
なぜなら歯科医師は患者さんの口腔という、あまり他人に見せたくない部分の治療に当たるからです。
外科医と異なり意識がなくなるほどの麻酔はほとんど使わない為、治療中の声や態度の変化がダイレクトに患者に伝わってしまいます。
自分の治療中に歯医者が不適切な態度をとると患者さんは非常に不快な気分になりますよね。
口腔というのはそういった意味でもとてもデリケートな部分であるので確立した倫理観と姿勢で臨まなければなりません。
従ってある側面では医師よりも高いコミュニケーション能力が必要となると言えます。
また、歯科治療はチーム医療であり歯科衛生士と協力して患者さんの治療を行うので協調性を持ち、指示を適切に出さなければなりません。
円滑なコミュニケーションなしに適切な治療は不可能ですから、歯学部を目指すみなさんはぜひ学生のうちにコミュニケーション能力を磨くことをおススメします。
歯学部を卒業した後のキャリアは?
歯科医師は通常の医師と比較して開業へのハードルが低いのが特徴です。
医学部を卒業して開業医となる人の割合はそれほど多くありませんが、歯学部を卒業して数年間修行を積んでから開業する人はとても多いです。
ただし現在では、歯科医院の数がコンビニの数よりも多くなっており、患者の争奪戦が見られますので、この先も開業傾向が続くかは不透明です。
ただ確実に言えることは歯学部に入っても技術をしっかりと磨いていないと卒業してからが辛くなるかもしれないということです。
歯学部に入学するためには高い学力が必要!しっかり対策を。
いかがでしたか?今回の記事では歯学部と医学部の違い、歯学部の特徴や要求される技術について詳しく解説しました。
皆さんが普段イメージする時とは少し違う角度から歯学部について理解することができたのではないでしょうか。
歯学部と医学部は学問の違いはあれど患者さんの健康を守るという意味合いでは同職種ですので当然、歯学部受験でも高い学力が要求されます。
歯学部を目指すみなさんは将来どのような治療行為を行うのか、なぜコミュニケーション能力が必要なのかをしっかりと理解した上で勉強に励んでくださいね!
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