医学部受験生の皆さんは大学入学後について考えたことはありますか?
今は受験勉強で精一杯かもしれませんが、大学入学後そして卒業後に自分がどのような医師になっていきたいのかを考えることはとても大切なことです。
一口に医師と言っても大学に残って相応のポジションに就いている人もいますし、市中病院で現役バリバリ臨床の現場で働いている医師もいます。
他にもWHO関連の仕事についたり、厚生労働省といった役人になるなど、医師になった後のキャリアは様々です。
今回はそんな医師のキャリアについて現役医大生である私の意見を織り交ぜながら医学部受験生の皆さんに紹介していこうと思います。この機に一旦受験から離れて「合格後」の自分のキャリアについて考えてみましょう。
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将来のキャリアは医学生の段階から決まるかも!?
医学部受験生の皆さんが医学部に入学してから大学を卒業して社会に出るまでに6年間あるわけですが、実はこの医大生の時点で将来のキャリアが少しずつ決まっていくと言われています。
それでは将来のライフプランに影響を与えるものはどのような物なのでしょうか。いくつかに分けて紹介していきます!
臨床か研究か?
自分が臨床医になるのか基礎医学の研究者になるのかは全ての医学生、延いては医学部受験生のみなさんにとってもキャリア形成にあたり最初に決めなければならない大きな選択です。
医学部に入って教養科目が終わると基礎医学の講義が始まります。基礎医学と聞いてピンとこないかもしれませんが、基礎医学とは生化学や生理学、発生学や解剖学など医学の根幹をなす学問のことです。
これと対になるのが臨床医学で内科学や外科学ということになります。基礎医学の講義に興味を持てた人は初期研修終了後に大学のに残る人が多いです。
入学時には臨床医を考えていた人が大学卒業後に基礎の研究室に入ることも珍しいことではありません。もちろん、臨床医にやりがいや憧れを抱いている人はそのまま臨床にいき、第一線で働くことになります。
人脈づくりは医学科生ならより一層重要になる!
私は移植系の研究室でアルバイトをさせて頂いているのですが、以前医局の先生方にどうして今のキャリアを選んだのかを聞いたことがあります。
多くの先生が「そんなのツテだよ!大学時代の先輩とか教授と仲が良かったから紹介してもらったんだよ」と仰っていたことを鮮明に覚えています。医学生時代の人脈が医師のキャリアとしてのポジションに大きく影響しているのはほぼ間違いないようです。
医学部受験生のみなさんも合格後は無理のない範囲で人付き合いをしておくと将来いいことがあるかもしれません。
医師の年代別キャリア形成について解説!
医師は大学が6年間あること、初期研修や後期研修があることを踏まえると他の職種と比べて一人前になるのが遅いです。
医学部受験生の皆さんはなかなか医師になった後のことは想像できないと思います。この章では医師が年代別で直面することが予想されるキャリア選択について解説していきます。
20代は修練の身!貪欲に知識や技術を吸収する時期!
医学部受験生のみなさんが医学部に合格して大学を卒業するのは多くの場合、20代半ばであると思います。
以前から紹介している通り卒業後2年間は初期研修の時期ですし、その後には専門医の資格を目指す後期研修医の時期です。この年代の大きな選択は初期研修後に「大学の医局に残るのか否か」でしょう。
簡単に言えば、大学の医局に残れば珍しい症例や自分の研究に打ち込むことができ、どちらかというと「学び」というニュアンスが強いです。大学の医局でそれなりに成果を出せば助教などのポジションを狙うことができます。大学の医局に残らない場合は市中の病院で働くことになります。こちらは一般的な医師のイメージに近いです。日々医療現場の最前線で日本の医療を支えることになります。つまり、大学の医局と比較して「実践」というイメージが適切かもしれません。
30代は医師のキャリアで一番脂がのる年代!
30代になって専門医資格をとると医師の仕事の幅が医学部受験生のみなさんが思っているよりもずっと広くなります。
一人前の医師である証明とも言える専門医になると様々なことができるようになり一番医師としてのやりがいを感じるようです。確かにできることが増えれば楽しくなりそうですよね。
早い人は30代後半で開業する人もいるようですし、大学の医局に属していた人が医局を離れて、それまで培った知見を持って臨床の現場に挑むことも多いとのこと。
需要が最も多い年代でもあり、転科したりする人も多い年代でもあります。大学で上のポジションを狙う人はこの年代で講師になる人が多い気がします。
40代以降は定年後を視野に入れ始める時期…
この世代になると大学、病院を問わずそれなりに責任のあるポジションに就くようになります。
そしてそろそろ定年後についても考えなければならなくなります。開業するのかこのままキャリアアップを狙うのか、臨床から身を引いて研究に方向転換する人もいるようです。
中でも外科系の体力が必要になる科の先生方の転科、厚生労働省やWHOなどへの転職が目立つようになります。早い人では40代で大学教授のポストを手にする人もいます。
私の大学のある研究室の先生は若くして教授になられています。見るからに仕事ができそうです(笑)個人的な感想ですと35~50歳くらいが医師キャリアの最高潮ではないかと思います。
医師になった後を妄想して受験のモチベーションに繋げよう!
いかがでしたか?
今回は受験から少し視点をずらして医師のキャリアやポジションについて医学部受験生の皆さんに解説しました。
これからの事は私にもわかりませんし、医師のキャリアも少しずつ変化していくことでしょう。
しかし、医学部受験生のみなさんにとっても私にとっても、医師になった後のことを考えることは勉強していく上でいいモチベーションになるでしょう。
外科医になって華麗な手さばきで手術している自分を妄想するのもよし、山中先生の様にすごい発見をしてノーベル賞を受賞する姿を妄想するもよし、自分なりのキャリアを一度イメージしてみてはどうですか?
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