埼玉医科大学は医科単科大学であり、私立大学医学部の中では「学費が超高額な医学部」という評判で有名な大学です。
医学部受験生にとっては「関東圏の医師家庭の生徒が受験する医学部」といったイメージでしょうか。偏差値は現在のところ82校中80位となっていますが、受験生は関東地方を中心として全国から集まります。
超高額な学費やワーストクラスの偏差値、という評判の埼玉医科大学ですが、その実態は意外と知られていないかもしれません。
今回は、埼玉医科大学医学部の概要と、埼玉医科大学医学部に特徴的な2つの事項を取り上げて、分析していきます。
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埼玉医科大学医学部はどんな大学?
2019埼玉医科大学医学部の学費・授業料
1年:1,500,000円
2~6年:1,500,000円
1年:1,000,000円
2~6年:1,000,000円
1年:0円
2~6年:500,000円
埼玉医科大学といえば「学費が高い」「偏差値が低い」「立地が悪い」が必ず出てくる評判ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
医学部は他学部と違って、あまり新設されることがなく、そのため偏差値ランクも一度固定されるとあまり変動しません。
学費についても、大幅に安くなったり高くなったりする動きは、ここ数年ではあまり見られません。
立地についても、広さをある程度確保しなければいけないことなどの理由から、郊外に構えることが多くなります。
世間の評判からくる埼玉医科大学のイメージを丁寧に分析してその実態に迫ってみましょう。
学費は6年間で3700万円超!確かに高額ではあるが…
埼玉医科大学医学部の学費は6年間で3700万円と、私立大学医学部31校中上から10番に入るくらい高額な学費となっています。
ちなみに、学費が私立大学医学部の中で一番安い国際医療福祉大学では、6年間1850万円ですから、一口に私立大学医学部といっても学費の差というのはかなり幅があることがわかります。
しかし、埼玉医科大学では、奨学金制度や特待生制度が充実しています。埼玉県地域枠や大学独自の貸与制度、同窓会からの支援、成績優秀者への学費免除など私立大学医学部の中でもかなり幅広く設けられていると言えるでしょう。
つまり、寄付金などの制度はありますが、必ずしも裕福な家庭の子女でなくとも、埼玉医科大学への入学のチャンスはあるということです。
ただし、医学部に入ると学費以外の書籍代などの費用が意外と嵩みます。国公立大学であってもこれは変わりません。
医学部受験を考えている人は、6年間でトータルどのくらいの費用がかかるのか、さらにそれは「いつ」必要なのか、といったことをリサーチしておくと良いでしょう。
偏差値は全医学部中でワースト、その理由とは?
埼玉医科大学医学部の入試時点での偏差値は、全国82校ある医学部の中で80位となっています。
そうはいっても医学部ですから、医師になるべくして入学してきて、入学した全員でなくともその多くが卒業し、医師国家試験を受験して、そして合格し、医師として全国で働いている訳です。
つまり、他の医学部との差はほとんどありません。国家試験合格率に関して言えば、埼玉医科大学より入試偏差値が高い大学よりも、上位ですらあります。
それでは、どうして入試時点での偏差値がワーストなのでしょうか。
おそらくこの理由は、高額な学費と大学の立地にあると考えられます。最低でも3700万円という高額な学費をかけるという選択よりも、1年浪人して他の医学部に入学する方が良い、といういう人が多いため、相対的に偏差値の高い人は他の大学に流れます。
また、大学の立地は生活の質に直結します。6年間という短くない月日を過ごすことを考えると、立地による利便性を考慮して、都心部を外れた大学は敬遠されがちになります。
つまり、入試時点での偏差値の低さは、大学の教育の質とあまり相関が無い、ということです。医学部における勉学の結果は、最終敵には本人の努力によるところが大きいため、全ては自分次第です。
埼玉医科大学医学部・2つの特徴とは
医学部は総じてどの大学も似たり寄ったりなカリキュラムですが、大学の特徴や売り文句として、マイナーチェンジをすることもあります。特に私立大学は学生を集めるために様々な工夫を凝らしています。埼玉医科大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:リアルタイムで学生の理解度を把握!「クリッカー」の活用で双方向性の講義に
埼玉医科大学で特徴的な点の1つが「クリッカー」と呼ばれるリモコン機器を用いた、双方向性の講義です。
講義中、教員から学生に向かって問題が投げかけられると、学生はクリッカーを用いてその問題にリアルタイムで答えます。
学生の回答結果は即座に集計されて、前方のスライドに表示することもできます。これによって、教員はその結果をもとに学生の理解度をその場で把握することが出来、講義をその場その場で最適化することが出来るのです。
学生も、周りがどのくらい理解していて、自分がどの程度理解できていないのかを把握することが出来るため、自身の学習方針へフィードバックすることが出来ます。
このような設備を持っている大学はかなり稀で、医学部で実際に利用しているケースはほとんど無いと思われます。
医学部の講義はどうしても一方的な「知識伝達型」の講義に終始しがちですが、このようなシステムを活用するのは、学生のモチベーションを保ちながら、教員にとってもより良い授業を作る動機付けとなります。双方にとってメリットの高い、良いシステムだと思います。
特徴2:「講義収録・配信システム」で反復学習を支援!
埼玉医科大学の充実したサポートのもう1つの特徴が、講義収録と配信システムです。
事前にビデオに収めた講義内容を学内のイントラネットで閲覧することができる、というシステムになっています。
配信映像では、講義室のプロジェクタに投影されたスライドや板書の内容が大きく鮮明に表示されると同時に、講義を行っている教員の様子も映し出されます。これを利用することで、「いつでも」「誰とでも」「学内ならどこでも」、講義の復習をすることができます。また、教員が自身の講義の振り返りをして、講義を改善することにも役立てられているようです。
学生からは、「あの時大事なこと言っていたはずだけど、聞き逃してしまった」「試験前の知識整理にもう一度講義を聞きたい」といった要望が必ず出てきます。
このシステムは、教員の手間を必要以上に煩わせることなく、学生たちの学習を支援する良いシステムであると同時に、教員へのフィードバックにもなっているという点で優れていると言えるでしょう。
埼玉医科大学医学部は質の高い医学部生活を送りたい人にオススメの大学
埼玉医科大学医学部は偏差値自体は全医学部の中でもワーストクラスであり、学費も高額であることなどから、評判だけを聞いているとポジティブなイメージを抱きにくい大学です。
しかし、私立大学ならではのきめ細かいサポートで質の高い医学部の生活を送れるよう、工夫が凝らされている先進的な大学でもあります。
質の高い医学部生活を送りたい人にとっては、一度は志望校のリストに加えてみる価値のある大学でしょう。学内でも学外でも、充実した6年間を送ることのできる良い大学だと思います。
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