多くの医学部では推薦入試やAO入試が行われています。医学部受験を考える人ならば、一般入試の他に推薦やAO入試の志願を検討すると思います。
「推薦」「AO入試」は同じものだと思っている人も多いでしょう。
これらの違いやメリット・デメリット、さらに医学部受験における志望理由書の書き方のコツをご紹介します。
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医学部の推薦入試/AO入試の違いとは?
医学部受験では推薦入試とAO入試がほとんど同じような位置付けで受け取られている節がありますが、実際のところ、どのような違いがあるのでしょうか。
二つの入試方式の相違点と、共通点をそれぞれ見ていきましょう。
AO入試は「実力だけで」、推薦入試は「実力プラスα」で出願、その実態は?
本来、AO入試は”AdmissionsOffice”(入学管理局)によって定められた選考基準に基づいて、学力試験を課さずに、高等学校における成績や小論文、面接などで人物を評価し、入学の可否を判断する選抜制度とされています。(出典:Wikipediaより引用)
一方、推薦入試はその名の通り学校の先生(主に校長)が「この生徒の能力と資質は貴学の求める学生像に一致していますよ」ということを「保証」した上で出願し、大学が試験を課して判断する選抜制度です。
つまり、AO入試は自身の実績や経験によって出願することができますが、推薦入試では学校からの推薦が必要であり、学校ごとに出願人数が制限されていることもあるため、校内選抜が行われるケースが多々あります。
自分の実力だけで出願できるのがAO入試、実力にプラスして学校からの評価が必要なのが推薦入試、というイメージで良いでしょう。
いずれにも共通しているのは、大学が選抜したい学生像に合致する生徒を確保するための入試であるということです。
医学部受験に限定して簡単に言えば、「地域医療に従事してくれる医師」候補でしょう。推薦入試やAO入試を実施している大学のほとんどは、「僻地に医師を派遣する」という使命を持っている地方大学です。
県外から来て、卒後は都市部や地元に帰って就職する人が多いと、地方の医師はどんどんと減っていきます(ただし、待遇面の悪さも医師不足の一因ですが。)
学生のうちからその大学地方に残って働く医師の頭数を確保して、地域医療の維持をしたいというのが、多くの大学、ひいては都道府県の本音です。
AO入試や推薦入試では、受験者を県内出身者に限定していることもあります。これを国立大学で行う是非なども問われていますが、いずれにしても「僻地医療従事者の確保枠」と捉えて良いでしょう。
必須の「志望理由書」書き方のコツ
推薦入試もAO入試も、出願の際には「志望理由書」などの作文の提出が必須である場合が多いです。
出願しようかな、と思っても、この志望理由書のハードルで諦めてしまう人もいるかと思います。ここでは、医学部受験における志望理由書の書き方のコツを紹介していきます。
コツ1:誰が見ても納得できる「理由」を
志望理由書のメインは「なぜ」です。理由書なので当たり前のことですが、意外ときちんと書ける人は少ないのです。
特に「なぜ」この大学を志望するのか、という点については、「地元だから」「親戚が住んでいて」「愛着がある」などの抽象的な理由になりがちです。
地元の高校出身の人ならば多めに見てもらえるかもしれませんが、県外出身者の人は面接の時にかなり厳しく突っ込まれることがあります。
これを回避するには、「大学のHPを隅から隅まで読み込む」ことです。
どの大学医学部にも特色はあって、特にこの症例の実績が良い、この疾患についての研究が進んでいる、などHPを見れば大きく宣伝してあります。そこを利用してみるのも戦略的な書き方の1つです。
興味の有る無しはありますが、出来るだけ自分の将来的な展望と大学の特色を絡めて、「なぜ」が書けるようになれば、説得力のある志望理由書になります。
コツ2:不得意なことや短所は無理に入れない
志望理由書や自己推薦文の書き方でよくあるのが「短所を長所として書く」「短所に向き合う姿勢を見せる」という言葉です。
これは私個人の考えですが、無理に入れる必要はないと思います。
なぜならば、不得意なことは誰にでもあり、その不得意なことはたいてい細かなことです。性格における短所などは、面接で話せばある程度わかりますし、日常生活に支障が出るほどの短所がある人などは面接で弾かれます。
それよりも、自分の得意なこと・長所をたくさん盛り込んで、面接の際の話のフックとなる仕掛けを作っておきましょう。
医学部受験で推薦/AO入試を志願するメリット・デメリット
医学部受験において推薦入試やAO入試を志願するメリット・デメリットは何でしょうか。1つずつ見ていきましょう。
最大のメリットは「早く受験が終わる」こと!
医学部受験において、推薦入試、AO入試を利用するメリットはいくつかありますが、最大のメリットは「早い時期に受験が終わること」でしょう。
早い大学であれば12月頃、遅くとも2月初旬には発表があります。つまり、2ヶ月以上の時間を大学入学前に手に入れることができるのです。
医学部入学後には2ヶ月以上の休暇はほとんどありませんし、あっても試験勉強におわれて休みどころではないので、最後の長期休みといっても良いでしょう。
推薦やAO入試に合格した人は、この期間に運転免許を取得したり、高校の時に出来なかった生物の勉強をし直したりなど、有意義に過ごしている人が多い印象です。
入学後もスムーズに勉強することができているようなので、最大のメリットといって良いでしょう。
おおっぴらには言われないけど…デメリットはもちろんある
医学部受験における推薦入試やAO入試のほとんどが「地域枠」といった名称で、将来は僻地医療に従事する医師となることを誓約させられることは先程も述べました。
これは良い面も悪い面もある決断だと私は思います。
推薦入試やAO入試を志願する人の多くは18歳、19歳の未成年です。いわば世間知らず、まだまだ未熟な人たちと言ってよいでしょう。
このような年頃の人に将来の見通しがきちんと立てられると思うでしょうか。自信を持ってイエスと言えるのは一握りだと思います。
「地域医療に従事したい」という熱い気持ちを持って志願する人もいれば、地元の医学部に入れば親も認めてくれるから、遠方の大学は受けられないから、などの理由で志願する人もいます。
また、あまり何も考えずに「お金もかからないで、親も喜ぶし、簡単に入れるし」と考えている人もいるでしょう。
このような未熟な気持ちで志願する人にも等しく、義務は課せられるわけです。9年や12年と言った、短いとは言えない時間を僻地医療に従事することに費やすのです。
入学後にもしも気が変わって「都市部の先端医療をやってる病院で研修したい」と思ったらどうでしょうか?医学部受験をした時の気持ちがずっと続くとは限りません。
受け取った奨学金なりを一括で返せても、解約できない契約は憲法違反ではないのか、といった疑問もでてきます。働く意味、生きる意義などのQOLの問題にもつながります。
未熟な未成年の見通しの甘さに便乗した制度であることは否定できないのです。
メリットとデメリットをよく考えて志願しよう
医学部受験における推薦入試とAO入試、違いはありますが、地域医療従事者確保であることは間違いありません。これをメリットととるか、デメリットととるかは、人それぞれです。自分の将来についてよくよく考えて出願するようにしましょう。
志望理由書についても、よく自分で考えて一度書き上げた上で、第三者から書き方についての指導を受けるのがベターです。
自分で書いたものを客観的に自分で見るのは難しいので、医学部受験や志望理由書の指導に慣れた高校の先生や、医学部受験に特化した予備校のスタッフに相談してみましょう。
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