医学部受験の人気は近年ますます高くなっています。少子化の今現在も医学部受験の倍率は軒並み高い状態です。
そんな状況の中で、小学生や中学生の子どもの頃から医者を目指して勉強するメリットとは何なのでしょうか。
早期から医者を目指して医学部受験をする5つのメリットと、現状の日本で医学部を目指すリスクについて分析していきましょう。
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子どもの頃から医学部を目指す5つのメリット
医学部受験を志す時期は人によって様々ですが、子どもの頃から「医者になりたい!」と考えることのメリットとは何でしょうか。5つのメリットを挙げてみました。1つずつ見ていきましょう。
メリット1:勉強習慣の定着で大学入学後も安定して過ごせる
医学部受験を目指すということは、勉強習慣を付けるということに他なりません。子どもの頃からの勉強習慣の定着は、医学部受験を終えて大学に入学した後も、安定した学生生活を過ごすことのできる大きな財産となります。
メリット2:学力向上のために使える勉強時間が長い
一般的に医学部受験に成功するために必要な学力は他の学部よりも高いと言われてますし、実際に多くの医学部は難関です。
そのため、学力を安定して向上させることは、医学部受験成功の要と言えます。早期から受験勉強を始めることで、学力を向上させて、さらに安定させるために使える時間が人より長ければ、それだけ有利になります。
メリット3:より医学部に特化した勉強が早期にできる
医学部受験の勉強は他の学部の受験勉強よりも少し特殊な面があります。大学によって求められることが違いますし、また多くの受験生は「できるだけ合格できそうな医学部の中で良いところへ」という方針ですから、受験校は変わっていきます。
志望大学に特化した勉強ではなく、「医学部受験」に特化した勉強をしなければいけないため、子どもの頃から医学部受験を目指す人はこの点で他よりもリードできます。
メリット4:医学部受験における動向を長期間観察できる
医学部受験の動向は短期的にも長期的にも変動していきます。その時の情勢によって、どこの大学が良い、合格しやすいなどは変わっていくのです。
子どもの頃から医学部受験対策を始めることで、大局的に医学部受験の動向を見ることができます。これは非常に大きな強みです。他の人が短期的な変動で慌てている状況でも、落ち着いて自分にとって最善の選択をすることができるからです。
メリット5:色々な大学をじっくりと比較できる
「医学部はどこも同じ」は嘘です。大学ごとにそのカリキュラムは大きく異なっているのが実情です。進級のしやすさや教授陣の雰囲気などは、時間をかけて情報を集めなければ真の姿は見えてきません。
子どもの頃から医学部受験の対策を始めることで、情報の収集量は格段に変わります。結果的に、良い学生生活を送れるかどうかが変わってくるのです。
現状の日本で医学部を目指すリスクとは?
子どもの頃から医者を志して、医学部受験に臨む人は少なくありません。子どもの頃から目指すメリットは上に挙げたようにたくさんありますが、一方でリスクもあります。
現状の日本で医学部を目指すリスク、それを回避する方法について分析していきましょう。
医者を取り巻く労働環境は改善されつつある。しかし…
医者は、昭和の時代には教師と並んで「聖職」とされることも多く、人から感謝される職業の1つでした。
平成・令和と時代は変わり、医者を取り巻く環境は大きく変わっています。「ブラック企業」という言葉の台頭とともに、昭和型の「終身雇用と引き換えの低賃金、年功序列」なシステムは終焉を迎え、企業で務める人達の労働環境は少しずつですが改善されつつあります。
しかし、医者の労働環境はそれほど大きく変わっていません。良くなるどころか悪くなっていっている気さえします。
先日、一部で話題になった「無給医」の存在や時間外労働の上限が「年間2000時間」という非人道的な法律案など、医者を取り巻く様々な根深い問題があります。
また、当直という名の夜間勤務(夜間救急などは「当直は診療していない」時間とされて正当な給料が支払われていない病院も多いです)、36時間連続勤務など、いつ医療事故が起きてもおかしくないギリギリの状況で医療を行っているということも、多くの医療現場の現実です。
このような不当な状況でも医療が崩壊せずにいるのは、現役で働いている医師や看護師など医療従事者の純粋な善意のためです。
しかしそれも限界に近づいており、離職者は後を絶ちません。
今、小学生や中学生の人たちが実際に医学部受験をする頃には、医療が崩壊して医者という職業は「誰もやりたがらない」仕事になっている可能性もあります。
つまり、子どもの頃から医者「だけ」を目指して勉強するのはリスクがかなり高いのです。
「AIに仕事を取られる」は本当か?
これから医者を目指すリスクとして、多くの人が気になっているであろうのは、「AIに仕事を取られるんじゃない?」ということでしょう。
この疑問を持つのは自然なことでしょうが、AIが実際に何ができるものなのか、きちんと把握できている人はどのくらいいるでしょう。
今現在、ワトソンなどの人工知能が診断補助として実際の医療現場で利用され始めていることは事実ですが、対応できるのはまだ一部の領域に関してのみです。
今の医者の仕事の大半は書類仕事であり、実際の医療行為をしている時間はほとんどありません。この医療行為以外の部分をAIが代替して行うことはこれから増えていくでしょう。
しかし、医療行為に関しては、まだまだAIは現場で利用できるまでに至っていません。手術補助ロボットはあくまで補助であり、実際に操作するのは手技を身につけた人間である医師です。
自動で難しい手術ができるわけではありません。また、診断補助のAIもあくまで「補助」です。なぜならば、診断は「人間たる医師」によって保証されなければ、責任の所在の問題などが生じるからです。
AIは人間がどう利用するかによってできる働きは全く異なってきます。「何でもできる魔法の装置」ではないのです。
この辺りの「AI神話」とでも言うべき言説は、一般の人の知識不足とメディアの扇情的な報道によるものでしょう。流言飛語に踊らされることのないように、きちんと信頼できるソースを当たって、正しい知識を得るようにしましょう。この「正しい知識に自力でたどり着く」という能力こそ、AI時代に必要な力です。
日本で医者を目指す上で必要なリスクヘッジ
これからの子どもたちが日本で医学部受験をし、医者を目指す上で必要なリスクヘッジをいくつか考えてみましょう。
まずは、「大学入試に傾倒しすぎない」ということです。これから医者という職業の立ち位置は大きく変動する可能性があります。そのため、医学部受験に成功するためだけに勉強するのは危険です。広い視野を持って、見識を深めることこそ、先の見えない時代を生き抜く力になります。
もう1つは、医者「プラスα」を持つことです。医師免許は国内では強力なライセンスですし、医者の社会的信用度はかなり高いと言えます。
しかし、医師免許だけでは、これから医者余りになると言われている時代を生き抜くのは厳しいでしょう。何か全く別の分野で自分の看板になるようなものを持っておくことは重要です。
リスクヘッジをしてメリットを最大限に生かそう
子どもの頃から医者を志して、医学部受験のために勉強をしておくメリットはたくさんあります。万が一、医学部受験をしなかったとしても、残るものは多いでしょう。
医者という職業を取り巻く環境は日々変わっています。リスクを正しく把握し、リスクヘッジをした上で、早期から医学部受験を志すメリットを最大限に生かしましょう。
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