久留米大学は九州にある大学であり、私立大学医学部の中では偏差値はそれほど高くない大学です。
医学部受験生にとっては「西日本の私立受験組が受けやすい医学部」といったイメージでしょうか。受験生の多くは九州や中国地方出身である思われますが、東京受験などによって関東の受験生も多くいます。
全国から受験生が集まる久留米大学、その医学部の実態はどのようなものなのでしょうか。
今回は、久留米大学医学部の概要と、久留米大学医学部に特徴的な2つの事項を取り上げて、評判などを詳しく分析していきます。
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久留米大学医学部はどんな大学?
2019久留米大学医学部の学費・授業料
1~6年:9,000,000円
1年:-
2~6年:-
1年:4,000,000円
2年:2,000,000円
3~5年:1,000,000円
6年:0円
九州地方には、3つの私立大学医学部に加えて各県に1つ国公立大学医学部があります。
その中でも、久留米大学医学部がどのような大学なのか、他の大学の医学部と共通する特徴や世間の評判なども含めて、細かく分析してみましょう。
九州を中心に全国から学生が集まる
久留米大学医学部は、福岡県久留米市に位置する大学であり、九州地方を中心に全国から医学部受験生が集まります。
福岡県地域枠入試の他、推薦入試もあり、1次試験は東京での受験も可能であるため、関東地方の受験生も志望校の1つに加えやすい大学です。
メインキャンパスの周辺には飲食店や生活用品店が揃っているため、学生生活を送るには申し分のない環境と言ってよいでしょう。
全医学部の中では偏差値は低めで学費もトップ10に入る高額ですが、奨学金などを利用すれば一般家庭であっても十分に入学を検討できるレベルです。
専門課程は1年次後半から、進級しやすさは平均並み?
久留米大学医学部のカリキュラムでは、1年次は概ね教養教育が課せられており、一部の期間で早期の臨床体験実習等が行われます。
多くの国公立大学と比べると少し早い1年次の後半から、解剖など医学専門教育課程が始まります。医科単科大学であるため、総合大学によくある「教養キャンパスでの他学部との交流」はありません。カリキュラムとしてはきっちりとコマが埋められており、医学部としては平均並みの忙しさと言えるでしょう。
進級についても、留年者は各学年毎年10名前後と、多くも少なくもない平均並み、と言ったところでしょうか。最も留年者が多くなると言われている2年次→3年次の進級も10数名で、国公立でも20名を超える大学があることを考えると、理不尽な進級判定ではないと言えます。
多くの私立大学では、国試合格率を上げるために留年者を多く出す、というのが定説です。久留米大学は国家試験合格率が全国でも最下位に近いのですが、国試合格率の低さから考えると留年の人数は少ないと言えるかもしれません。
入学後最低でも6年間という長い時間を過ごす大学ですから、「理不尽」なカリキュラム設定・成績判定ではないか、などは入学前に十分に検討する価値があります。公式の大学HPにシラバスは公開されていることが多いので、一度はチェックすることをお勧めします。
久留米大学医学部・2つの特徴とは
医学部は総じてどの大学も似たり寄ったりなカリキュラムですが、大学の特徴や売り文句として、マイナーチェンジをすることもあります。
その中でも、集まってくる学生たちの雰囲気や教員のスタイルによって大学のユニークさがあります。久留米大学医学部の3つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:学費は私立医学部の中でもトップクラス!6年間で3600万円超
私立大学医学部の受験を考える上で避けて通れないのが「学費」の問題です。
どこの私立大学医学部でも、大学独自の奨学金に加えて、各都道府県が募集する僻地医療従事の枠で学費が免除・生活費を給付という制度があります。
そのため、私立大学医学部には裕福な家庭の子女しかいない、というのは誤りです。
しかし、久留米大学では初年度に931万円、2年目は620万円、3年次以降は毎年521万円とかなりの額の学費を納入しなければならず、特待生や減免措置を受けたとしても毎年その待遇を受けられるという保証がない以上、ある程度の覚悟が必要です。
学費以外にも私立大学には「~~式典があるので寄付金を1口〇十万円お願いします」といった通知が少なくない数あります。
学費だけでは済まない、というのが私立大学なので、その辺りの納入金についても事前にきちんと調べておきましょう。特に偏差値の低い大学はその傾向が強いため、できれば在校生の先輩に聞いてみるのが一番です。
特徴2:国家試験合格率はワースト5に入るレベルだけど…着目するべきこととは?
久留米大学医学部の国家試験合格率は毎年ワースト5に入る低さです。
出願者に対する合格者の割合は9割を切っており、「そもそも国家試験を受けていない・受けさせてもらえなかった」という人の割合が他の医学部に比べるとかなり多いようです。
私立大学医学部では国家試験の合格率を上げるために、6年次の卒業試験等で「国試合格見込みなし」と思われる学生には卒業認定せずに「来年国家試験を受けてね」といういわゆる「卒留」の措置をとるという特徴があります。これは国公立大学では珍しい措置です。
私立大学医学部は「ビジネス」ですから、国家試験の合格率や偏差値を始め、様々な要素で評判を高めて入学者を獲得しなければなりません。
つまり、私立医学部において国家試験を受けるかどうかは学生の自由ではない、という側面は否めません。
特に久留米大学は国家試験合格率が毎年低いため、成績の悪い学生は卒業させず、国家試験合格率を少しでも上げようとする傾向はこれからもますます強くなると思われます。
成績が悪い人は医学の知識をきちんと身につけていないという証拠ですから、裏を返せば、きちんと「仕上がった」学生でなければ卒業させない、という意志の現れでもあります。
つまり、久留米大学医学部の教員たちは、「プロフェッショナルたる医師を輩出する」という自分たちの社会的責任を果たそうとしていると評価できます。
もちろん、国家試験の合格率が低いということは、学習環境が良くない、学生の意識を高めるようなカリキュラムでない、など複合的な要素の結果です。
しかし、ここで述べたように、国家試験合格率の低さは、悪い評判を示す値ではないのです。
久留米大学医学部は勉強に集中し、部活を頑張る人にとっては良い環境
久留米大学医学部は偏差値自体は私立大学医学部の中でも中~下位ですが、関東地方のみならず全国から受験生が集まる、根強い評判を持つ大学です。
学費の高さや国家試験合格率の低さ、というマイナスポイントはありますが、九州地方で医学部生活を送りたい人にとっては、受験校の候補として入れてみてもよいのではないでしょうか。
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