社会人の医学部再受験の理由とは?チャレンジは何歳になってもできる?

社会人の医学部再受験の理由とは?チャレンジは何歳になってもできる?

医学部受験生の構成は、他学部の受験生と比べると、かなり多様性に満ち溢れています。

現役生は勿論のこと、2浪以上の浪人生、大学に通いながら医学部を目指す再受験生、さらに会社員、主婦といった状況で医療と関係のない分野から医学部再受験をする人もいれば、看護師や薬剤師などコメディカルの受験生も多くいます。

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日本で医学部を目指すとは

医学部講習

近年の医学部人気はすさまじく、志願者は20年前から毎年増え続けています。

国公立の前期試験ではおよそ5倍、後期試験では18倍、私立大に至っては20、30倍の倍率が平均な入試倍率となっています。

大手予備校の試算では医学部合格率はおよそ7%とも言われており、非常に狭き門であることが分かります。

そのような狭き門に、高校や大学を一度卒業して就業した社会人が挑戦し、医師を目指す理由とは何なのでしょうか。

社会人の医学部再受験の理由について分析し、今の日本で医師を目指すということについて考えていきたいと思います。

社会人が医学部を目指す3つの理由

3を示す女性

社会人で医学部再受験をする人の割合が医学部受験者全体の何割なのか、実際の数字は定かではありませんが、大手予備校の推測値では10%程度と言われています。

医学部受験生の人数は毎年13万人前後で推移していますから、およそ1万人程度が社会人の医学部再受験者ということになります。

医学部の受験者は毎年増えていますから、社会人の医学部再受験者も増加していると考えて良いでしょう。

彼らはなぜ、医学部再受験という狭き門に挑戦し、医師を目指すのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

理由その1:「やりたいことを今、やる」という時代の流れ

先日の「終身雇用は限界」という経団連の声明からも分かるように(あくまでも経営側のエゴであり労働者の目線では無いですが)、戦後から続いてきた「日本型」の雇用は維持できない状況です。

このような現状では、昭和・平成の時代には当たり前であった「最低3年」「仕事人生」といった言説も通用しなくなっており、「合わなければすぐに転職」「自分のやりたいことが最優先」が若い世代では当たり前になってきています。

つまり、ひと昔であれば「いい年した大人がいつまでも夢を見るな」と言われていたようなことが、今では当然のこととして受け入れられる流れになってきているのです。

夢を追いかける社会人の医学部受験者

社会人の医学部再受験者の中には、「高校生の頃は親に反対されて行きたい大学に行けなかった」「金銭的に余裕ができた今だから医師を目指したい」という理由で再受験を決めた人もいます。社会人の医学部再受験が目立つようになってきたのも、このような「やりたいことを今、やる」という時代の流れに沿った事象と考えられます。

前時代的な考え方の人はまだまだ多く、特に今、企業で役員や管理職に就いている人たちにはその傾向が顕著です。そのような軋轢を超え、色々な職業を経験した上で「医師になりたい」と新たな目標を持ち、そこを目指して努力できる社会になってきたのは、良い傾向と言って良いのではないでしょうか。

理由その2:先行き不安による安定指向

これは、終身雇用の崩壊とも繋がることですが、今の日本社会はかなり先行き不安に苛まれていると感じます。

先日報道された、政府による統計不正の問題からも明らかになったように、政府が懸命に「景気は上向きである」と喧伝していても、実際の国民の経済状況は全く停滞、むしろ後退していたのです。

おそらく、政府による統計不正のニュースを見た多くの人が「ああ、やっぱり」と自分の実感との整合性を感じたのではないでしょうか。

さらに、年金支給開始年齢の引き上げや定年の廃止など、将来の懸念事項が日々増えていく毎日であり、安定指向の人が増えるのは当然の結果と言えるでしょう。

そのような安定指向の人たちにとっては、医師は非常に魅力的な職業に見えると考えられます。

他職種と比べれば、まだまだ収入が保障されていますし、国家資格でもあるため、今のところ食いっぱぐれる可能性も低いでしょう。

つまり、先行き不安による安定指向が社会人の医学部再受験人気を後押ししていると言えるのではないでしょうか。

理由その3:色々な経験を積んでから見えてくる「生きがいとしての仕事」

上に挙げた2つの理由は、近年の日本社会の様相から考えられる社会人の再受験の理由ですが、ここで挙げる3つ目の理由は、より普遍的な理由だと考えられます。

高卒・大卒で就職し、がむしゃらに働き続けていると、ふと自分の人生について考える時がきます。「自分の生きがいとは何か」ということです。

生きがいは人によって多様です。「家族との時間」「旅行」「ボランティア」など、それぞれに楽しさと喜びがあることでしょう。

しかし、仕事続きで自分のことについて考える間も無く、年単位の時間を過ごしていると、誰しも自分の生き方について立ち止まって考えるものです。そのような時に「人のために尽くす」という医療の道が魅力的に映る人もいるのではないでしょうか。

社会人が医学部再受験を決める、大きな理由の1つとして、「人に尽くす・誰かのためになる仕事を求めて」ということが考えられます。

医学部再受験の社会人増加は「誰もがいつでも学べる時代」の先駆けとなる

両手を広げて羽ばたく

社会人の医学部再受験は今では珍しいことではありませんし、これから10年の間はまだまだ増えると考えられます。

この先行き不安定な日本社会で、他職種から医師を目指すのは大きな決断ですが、それなりのリターンが見込める選択肢です。

また、個人に対する経済的なメリットだけではなく「誰もがいつでも学べる」という社会は、豊かな社会である証拠です。

つまり、社会人が医学部再受験を目指すハードルの高さは、社会がそれだけ硬直していることを意味します。

社会人の医学部再受験理由についてまとめ

医学部における社会人受験が取り上げられると、必ず「現役受験生のパイを奪っている」という言説が(主に外野から)声高に言われますが、本来、大学は誰でも学べる場所です。医学部は医師養成所としての側面が強いものの、大学として設置されている以上、他学部と同じように、「何歳でも」「性別・国籍等に関わらず」出願資格さえ満たしていれば、平等にチャレンジして良いのです。それを応援する社会であってほしいと強く思います。

今、社会人で医学部再受験を考えている人は、周囲の軋轢に負けず、自分のしたいことをしたい時期にチャレンジして下さい。

医学部は皆さんが考えているよりも自由で、どんな人も受け入れてくれる場所です。頑張ってください!

 

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