東京医科歯科大学は東京都の中心部に位置する、医療系の大学です。
医学部と歯学部理学部や工学部はもちろんのこと、医学部についても国内トップクラスの偏差値です。
医学部受験生にとっては「都心の優秀層が集まる医学部」という印象でしょう。
全国的にも評判は高く、医学部受験生にとっては憧れの医学部の1つとなる大学だと思います。
日本のみならず世界でも評判が高い東京医科歯科大学、その実態はどのようなものなのでしょうか。今回は、東京医科歯科大学医学部の概要と、東京医科歯科大学に特徴的な2つの事項を取り上げて、分析していきます。
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東京医科歯科大学医学部はどんなところ?
2019東京医科歯科大学医学部の学費・授業料
関東は医学部の密集度が低く、地元での進学を考える医学部受験生にとってはかなり選択肢が限られる地域です。
医学部受験生の多くは、その地域の偏差値上位の優秀層であり、その中でも東京医科歯科大学は東京大学医学部の次に位置する、別格の偏差値であるため、受験を考える人自体が限られます。
他の大学の医学部と共通する特徴や世間の評判なども含めて、細かく分析してみましょう。
関東・関西の有名私立から上位層の優秀な学生が集まる
東京医科歯科大学は、関東の有名なエリート私立中高一貫校を中心に、優秀な生徒の集まる学校の中でもさらに上位の優秀な人たちが集まる学部です。
倍率は毎年およそ4倍とそれほど高くないように思われますが、そもそも偏差値70オーバーの強者たちが集まるため、厳しい戦いを勝ち抜いた真に優秀な人しか入れない学部となっています。
学費は国立なので一律!免除制度も有り
東京医科歯科大学は国立の大学であるため、医学部であっても学費は一律53万5800円(年額)となっています。
医学部についての間違ったイメージの1つに「国立でもが医学部だけは学費が高い」ということです。
世間の多くの人は医学部の学費は高いもの、と思っているようで、国立大学であっても他学部より医学部は学費が高い、と考えているようです。勿論これは間違いで、国立では進学する学部に関わらず一律の学費となっています。
実習費や施設利用費なども追加でかかることはほとんどありませんから、実験や実習などが無い文系の学部でも同じ学費と考えると、費用負担はかなり安いと思われます。
医学部・歯学部特有の人体解剖実習などは、地域の篤志家の方々によるボランティアで運営されている面が非常に大きいのですが、その他の薬理学実習や微生物学実習などでは様々な薬品・機器を使うため、本来であれば高い学費がかかるのが当たり前です。
また、多くの国立大学と同じように東京医科歯科大学でも学費免除制度があり、一定の収入要件などを満たすと、全額免除・半額免除、分割納入などが可能になります。
ただし、2020年度からの給付型奨学金の開始により、学費免除のボーダーラインが今までよりも厳しくなり、免除措置を受けられる人が減る事が予想されるため、注意が必要です。
東京医科歯科大学・2つの特徴とは
医学部は総じてどの大学も似たり寄ったりなカリキュラムです。
それでも、大学ごとに個性的な特徴が生まれてきます。東京医科歯科大学医学部の2つの特徴について見ていきましょう。
特徴1:「基盤教育」でエビデンスに基づく良い医療を提供できる医師に
東京医科歯科大学の特徴の1つは、「医歯学基盤教育」と言われる独自のカリキュラムです。
これは、2年次から4年次まで、毎週1コマずつ、「グローバルコミュニケーション」「臨床統計」「生命倫理」という講義を行うものです。
このカリキュラムでは、グローバルで問題となっているトピックや倫理的問題について、世界標準のレベルで論理的に思考し、協議することを行います。
また、近年ますます重要視されている「エビデンスに基づいた医療」を提供できる医療者となるべく、臨床統計を理解した上で臨床データを倫理的にも論理的にも正しく扱うためのトレーニングも行います。
インターネットの発展と共に爆発的に普及してきたSNSによって、医療情報は玉石混交を極めています。
患者たちはエビデンスに基づいた正しい情報とは何かを全く分からないままに、ネット上のあやふやな医療情報に振り回されています。
嘆かわしいことに、このようなデマの一端を医療者たる医師が担いでいるという事実があります。
エビデンスに基づいた医療が何であるか、論理的な思考とは何か、倫理を守るとは何かということを自分の頭で考える力は、学生のうちに養わなければ、いずれ人を殺すことになるのです。
特徴2:研究室実習では海外の研究室へも!半年間の研究室経験で研究者のマインドを養う
医学部のカリキュラムには、3年次または4年次の一定期間に研究室に配属されて研究者としての素養を養う、という実習が組み込まれています。
多くの大学では3ヶ月程度の実習となっていますが、東京医科歯科大学医学部では、「プロジェクトセメスター」として6ヶ月の研究室実習期間が設けられています。また、この期間には、希望すれば協定校であるインペリアルカレッジ(ロンドン)やオーストラリア、韓国、タイなどの大学に行き、研究活動を行うことが出来ます。
多くの大学の医学部では、3ヶ月という短い期間しか研究活動に従事することができないため、研究者としての素養を養うといっても、かなり無理のあるスケジュールとなっています。
東京医科歯科大学は基礎医学研究も海外研修も十分に経験することのできる、非常に恵まれた環境と言えるでしょう。
このような質の高い教育は、世界的にも評価されており、2018年に発表された分野別世界大学ランキングの医学部分野において第4位、小規模大学としての世界ランキングでは、日本第1位、世界第17位となっています。
また、学生と教員の比率で見ると、学生1人当たりの教員数が多い大学という特徴もあり、きめ細やかな教育が受けられる大学となっています。
質の高い教育と学生生活を望む人は東京医科歯科大学医学部へ
東京医科歯科大学は偏差値も大学自体の評判も国内トップクラスであり、立地も都心のど真ん中ということもあり、非常に人気の高い医学部です。
昨今では珍しくなった、一般入試でも前期と後期の2回のチャンスがある医学部ですから、自分の学力を信じられる人は一度は受けてみる価値のある大学だと言えるでしょう。
質の高い教育と、学生生活を手に入れたい人にとっては、素晴らしい環境だと思います。
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