獣医学部と医学部の違いとは?将来のキャリア形成は大きく異なる?

獣医学部と医学部の違いとは?将来のキャリア形成は大きく異なる?

獣医学部と医学部は共に医学を扱う学問であり、一見すると両学部はとても似通っているのではないかという気がしますよね。

通学期間も共に六年であり、四年次の終わりにはCBTやOSCEという試験を受験し、六年次辺りに国家試験を受験した後病院で勤務する場合は臨床医としての初期研修を受けます。

カリキュラムもとても似ているのですが獣医学部と医学部の間には根本的な違いがあります。

今回はこの獣医学部と医学部の違いやキャリア形成における違いを解説していこうと思います。

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そもそも獣医学部と医学部では理念の方向性が異なる!

獣医

まず獣医学部と医学部の最も大きな違いはその理念にあります。

従ってコンセプトのレベルで大きく異なっていることになります。

日本のどこの大学でも構わないので獣医学部と医学部の教育理念を調べてみてください。

すると両者の理念がどのように異なっているのかをすぐ理解できると思います!

ここでは、このことを例に挙げながら説明していきます。

獣医学部は食品の安全管理・安定的な食料供給が使命の一つ

獣医学部と医学部はそれぞれ家畜やヒトに対する医療の発展、病理機構の解明を使命としていることは共通していますが、獣医学部では加えて動物に対する医療だけではなく食品管理を通じて安全で安定した食料供給を担うことが使命である点が最大の違いです。

日本を代表する獣医学部を擁する北海道大学獣医学部の教育理念をいくつか挙げて見ていきましょう。

・獣医師としての任務を遂行するための論理性及び倫理性に裏打ちされた行動規範を身につけることができる。

・安定的な食料供給、家畜及び畜産物の安全確保、人獣共通感染症対策など地球規模の課題の解決に貢献するための国際的視点と知識・技能を持つことができる。

(引用元:https://www.vetmed.hokudai.ac.jp/study/outline/policy/

つまり獣医師としての知識及び行動規範を身に付けることと同じくらい動物の安全管理、食品管理、安定した食料供給を支えることが重要だということです。

一方で医学部は研究医でも臨床医でもヒトの病気を治すことが理念の中心にあります。

獣医学部は卒業後、獣医師に就職するとは限らない!

獣医学部と医学部では就職事情も大きく異なります。

医学部では卒業した学生の9割以上は臨床医として就職することになりますが、獣医学部では必ずしも獣医の臨床医に就職するわけではありません。

獣医学部を卒業した学生のうち、動物病院の臨床医に就職するのは約半分ほど残りは公務員や食品会社や保健所などに就職する傾向にあります。

また人獣共通感染症や食品衛生管理なども重点的に学ぶため、公衆衛生の分野では獣医学部を卒業している人が重宝されます。

医学部でも感染症学や微生物を学ぶのですが、アフリカなど途上発展国で起こる新興感染症の病気は昆虫や家畜を関係していることが多いため、この分野に強い獣医学部を卒業した人は貴重な戦力となります。

まとめると獣医学部は医療だけに限らず、衛生的な側面から幅広い安全確保に寄与するという使命を持っていることが医学部と異なっている点であると言えるでしょう。

受験という切口からみた獣医学部と医学部

階段を登る男性

この章では獣医学部と医学部について、受験という側面から考察していきます。

両学部の入試事情や使用する科目、学費などについて解説していきます。

一般的にはどちらの学部も難関学部として見られていますが、そこにはどれくらいの違いがあるのかを早速見ていきましょう。

獣医学部は門戸が狭い分、難易度が高く競争がとても激しい!

入試という区分においても獣医学部と医学部の間には大きな違いがあり、共通しているのはどちらも非常に高い学力が要求されることくらいです。

獣医学部に特徴的な事項としては、日本に獣医学部が圧倒的に少ないということが挙げられます。

では日本に獣医学部がどれくらいあるのかを紹介すると、なんと国立と私立を合わせても獣医学部は日本に17校しか存在していません。

入試ではこれらの大学に受験者が殺到するので必然的に合格の難易度が上がりますし、人気の高い国立大学を希望する場合は地方医学部受験に近い学力が必要となります。

なお、他の医療系学部と同様に私立大学の学費は一般学部と比較して高く、年間210万円ほどかかります。

お金はかかりますが受験科目が国立と比べて少なく、数IIIが不要な私立大学獣医学部が多いため、倍率は恐ろしいくらい高いのですが合格するために必要な学力は国立の獣医学部よりかなり低いです。

国立獣医学部はセンター試験(共通テスト)重視!私立はより深い知識・思考力を!

国公立大学の獣医学部を志望する受験生はまず共通テストの対策をより重点的に行いましょう。

東京大学と北海道大学を除いてほとんどの国公立獣医学部は共通テストの比率が高くなっており、この素点が合格に大きな影響を与えます。

一方、私立の獣医学部を目指す場合は共通テストが課されない大学であれば受験科目である文系数学、英語、理科を徹底的にブラッシュアップするようにしましょう。

科目が少ない分、他の受験生も高得点を取ってくるのでミスが許されないタイプの試験になります。基礎基本を何度も頭に叩き込みましょう。

各大学の特色をよく吟味して志望校を決めよう!

獣医学部も医学部と同様に、大学によって伴侶動物(ペット)の治療に強い大学や公衆衛生に強い大学、畜産科学に自信を持つ大学など様々な特徴があります。

そして複数の大学が提携して共通モニターで共同講義などが行われたりもしています。

例えば、山口大学の獣医学部は伴侶動物の医学と公衆衛生分野に強く、鹿児島大学は畜産、産業動物分野に優れているため両大学は提携して共同授業を行っています。

獣医師の臨床医に就職したい人や食品管理の勉強をしたい人は、それぞれの分野に秀でた大学に行く方が好ましいのは説明するまでもありません。

従って自分の受験する獣医学部がどこの大学と提携して、それぞれどの分野に秀でているのかを把握することは受験する上で非常に大切になってきます。

獣医学部と医学部は全く別の学部であることを忘れることなかれ!

獣医

いかがでしたか?

今回は獣医学部と医学部の学部単位での違いや就職後のキャリア形成の相違点、受験という切口からみた獣医学部の特徴などについて解説しました。

ここまで読むと獣医学部と医学部は一見似ているものの、ベクトルが違う学部だということがわかってもらえたと思います。

どちらの学部を受験するにしても確固たる意志を持って勉強することが大切ですね!

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