法学部と聞くと、なんだか難しそうな印象を抱きがちですよね。そもそも法学部は主にどんなことを学ぶのでしょうか?
実は、法学部は法律や憲法、政治などを主とする学問を行う学部です。
「法律なんて普通に暮らしてたら縁がない」?そんなことはありません。法学部で行う学問はこれ以上ないほど日常生活と密着しています。
今回は、私たちの日常に深く関わる「法学部の学び」や法学部の就職先、どんな大学に法学部があるのかなどまとめました。
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そもそも法学部はどんな学部?
簡単に法律や憲法、政治を学ぶと言っても、あまりにも憲法や政治の分野は幅広いですよね。では具体的に法学部はどのようにして莫大なこの分野を学んでいくのでしょうか?
法学部と一言で言っても、学科によって学ぶ内容が異なります。
世間一般の法学部のイメージは六法全書などで法を学ぶようなイメージですが、この場合だと「法学部法律学科」の学びに近いです。
他には政治について学ぶような「法学部政治学科」など、法学部の学科だけでも全国でゆうに80学科は存在しています。
憲法からマネジメント、国際関係、経済など法学部の手掛ける分野は幅広く、法学部という学部は多くの可能性を持つ学問の場であると言っても過言ではないでしょう。
経済学部と法学部経済学科の違いとは
法学部経済学科、いわゆる「法経学科」などと「経済学部」、同じ経済を学ぶのになぜ学部が異なるのか気になりませんか?
実は経済学部と法経学科は、「経済」という分野へのアプローチの方法が異なっています。
「経済学部」がミクロ経済学やマクロ経済学、統計学など経済学を理論寄りに包括的に学習するのに対し「法経学科」では政治・法律的アプローチから経済学を学ぶ。
学ぶ内容にどのような差異があるのかは大学によって異なりますが、おおむねこのようなアプローチの違いが見られます。
法学部で取得できる資格は?
司法試験や司法書士、税理士、弁理士、社会保険労務士、宅建士、通関士、行政書士など、法律などに大きく関わるような、特に国家資格の取得が可能です。
ここでは特に難易度の高い司法試験、司法書士、税理士、弁理士の仕事内容や試験についてまとめています。
司法試験
法に携わる職業で最も有名だと言えるのが裁判官や検察官、弁護士でしょう。
司法試験は、それらの職業に就くために前提となるものです。
この試験を受けるためには、「司法試験予備試験」の合格か、法科大学院で学修する必要があります。
予備試験は3回の試験の合格によって合否が決まり、予備試験合格だけで短くとも1年は必要です。
法科大学院での学修は、2年間、もしくは3年間にわたります。
司法試験に挑むにも多大な時間がかかるのが特徴的です。
もし最短で司法試験に臨みたいのであれば大学在学中に予備試験に合格してから、となります。
司法試験自体は年に1度5月に実施され、短答式試験と論文式試験の両方を合格したうえで1年間の司法修習と司法修習考試に合格することで、「司法試験合格」となります。
司法書士
司法書士は、日常生活において最も身近な「法の専門家」です。
司法書士の資格は国家資格で、一般市民と裁判所や法務局などの橋渡し役となったり、不動産や商業・法人の登記申請などが主な仕事です。
毎年7月に行われる筆記試験を突破し、10月の口頭試験に合格、12月に開始される研修に参加すると司法書士として登録されます。
司法書士試験の受験資格として法学部に在籍しているという事は求められませんが、試験の内容はすべて法学部のカリキュラムなどで学習する内容であるため、将来の可能性を広げるという意味合いから司法書士の資格を取得する学生は多いようです。
税理士
司法書士同様に、日常生活において最も身近な「法の専門家」である税理士。
司法書士が申請書などを主に取り扱う「司法に関わる書類を扱うエキスパート」とするなら、こちらはどちらかというと「税金やお金に関するエキスパート」と言えるでしょう。
税理士資格は国家資格で、取得の為には難易度の高い税理士試験に合格する必要がありますが、そもそも税理士試験には受験資格が設定されており、
- 大学(短大)で法律学か経済学を1科目以上履修
- 大学3年次以上で法律学か経済学を含む62単位以上取得
- 司法試験合格者
- 日商簿記1級合格者
といった高い受験ハードルがあります。
しかし大学の単位などに関しては、法学部の学生にとって特に苦でもないハードルなので、大学在学中に税理士資格の取得を目指す学生も少なくはないです。
弁理士
弁理士は、間接的ではありますが日常に深く関わる職業で、特許申請や商標登録などを代理で行うことが主な仕事です。
それ以外にも、アイディアを勝手に模倣されただとか、自分の作ったものが他人の権利を侵害していないか、などの対策や相談まで幅広く手掛ける「知的財産のエキスパート」です。
弁理士になるためには、弁理士試験に合格したうえで実務研修を経る必要があります。
国家試験である弁理士試験は5月に短答式の一次試験、7月に論文式の二次試験、10月に口述式の三次試験に合格する必要があります。
ただ、弁護士資格を持つ人などはこの試験を受けずに実務研修に臨むことができます。
試験内容や弁護士資格の有無など、法学部の学生にとって優位となるような条件が多いように思われます。
法学部の就職先はどんな所?
先に紹介した資格のように、法学部の学生が取得しやすい資格のそのほとんどは国家資格とされる、取得難易度の非常に高い資格です。
ではそのような難易度の高い資格を取得することの可能な、あるいは在学中に取得した法学部の学生たちは一体大学卒業後はどのような進路を辿るのでしょうか?
ここでは法学部を持つ日本各地の大学の中でも、特に偏差値の高い6大学の就職先をまとめています。
東京大学法学部 偏差値:67.5
日本で一等入学難易度の高い大学、東京大学の法学部は、軒並み入学難易度が高いとされる法学部の中でも最難関と呼ぶにふさわしく、センター得点率91%とその難易度の高さは折り紙付き。
入学のみならず、入学してからも他学部と比べても過酷な環境にあるとされています。
そんな東京大学法学部ですが、日本の行く末を担う政治家のそのほとんどは東京大学法学部の出身ということから察せられるように、就職という観点から見ると例年中々良い就職先にめぐり合えています。
京都大学法学部 偏差値:67.5
東京大学とともに双璧をなす日本の大学である京都大学。
その法学部も偏差値は67をゆうに越えており、センター得点率は87~91%で入学難易度の高さは言うまでもないでしょう。
東京大学法学部の卒業後の進路のほとんどが公務員、もしくは大学院研究科であったのに対し、京都大学法学部の卒業後の進路において多くを占めているのは、ロースクールへの進学です。
ロースクールというのは法曹(裁判官や弁護士、検察官)になるために通う法科大学院の事です。つまり京都大学法学部の卒業生の多くは、法曹を目指し進学という道を選んでいるということがうかがえます。
一橋大学法学部 偏差値:67
一橋大学法学部は、東京大学・京都大学に続いて国立大学中第三位の偏差値をマークしている大学です。
ここで紹介している大学はほぼすべて偏差値67.5をマークする大学ばかりで、一橋大学法学部の偏差値67はあまり高い方では無いように思ってしまうかもしれませんが、国立大学でありセンター得点率87%と、その入試難易度の高さは言うまでもないでしょう。
一橋大学の卒業生の進路状況を見てみると、全体の割合で見ると就職の方が多いようですが、注目すべきはロースクール進学者数の多さにあるでしょう。
194人中33人は法曹を目指す道を選択するという状況は、どちらかというと京都大学と似た傾向だと言えます。
さらに官公庁就職19名の内、国家公務員が11名だということもまた特筆すべき点でしょうか。
慶應義塾大学法学部 偏差値:67.5~70.0
慶應義塾大学法学部は、私立大学の中でも特に入試難易度の高い大学、学部だと言えるでしょう。
偏差値は最高で70、勿論入試方法の違いなどもあるでしょうが、偏差値自体は東京大学・京都大学とさえ越える場合があります。
先に紹介した国立2大学とは違い、慶應義塾大学法学部は民間の総合商社や大手金融機関などの就職がほとんどです。
就職先を見るだけでは、法学部というよりも経済学部のような印象がありますが、これは民間や金融業界などで法の知識のある人材を積極的に受け入れている、ということの裏付けに近いように思われます。
早稲田大学法学部 偏差値:67.5
早稲田大学法学部は、私立大学でトップクラスの偏差値を誇る「早慶上理」の一角を担う早稲田大学の中で、政治経済学部に次ぐ高偏差値をマークしている学部です。
慶應義塾大学の卒業生の多くが、総合商社や大手金融機関に就職していたのに対し、早稲田大学の卒業生の多くは国家公務員や地方公務員の道に進んでいます。
どちらの大学も、法曹の道を志す卒業生の多い東京大学や京都大学とは違い8割以上が就職を選んでいますが、民間や金融などいわば「チャレンジするような就職先」に決めている慶應義塾大学と、国家公務員や地方公務員といった、言ってしまえば「堅実志向」な将来設計をする早稲田大学、と差があるように思われます。
上智大学法学部法律学科 偏差値:65~70.0
上智大学法学部は、私立大学でトップクラスの偏差値を誇る「早慶上理」の一角、上智大学の中でもかなり入試難易度の高い学部です。
就職先を見ると、8割以上が大手金融、保険会社や民間の総合商社などに就職しており、公務員としての就職は文部科学省や法務省、国税局などから地方役場までが1割程度を占めます。
「チャレンジ志向」の慶應義塾、「安定志向」な早稲田と続き、上智大学もどちらかといえば「チャレンジ志向」と言えるのかもしれません。確かに上智大学は、2017年に畑違いとも思える日本航空への就職が4人も出たことがあります。
まとめ
今回は法学部の就職状況や資格について、法学部がどのような学部であるのかをふまえて紹介してきました。
医学部の過酷さにはよく目を向けられますが、実は法学部も入試の難易度も非常に高い上に、入学し確実に卒業できるというわけではない過酷な学部です。
卒業したから確実に法曹になれるわけもなく、大学卒業後さらに法科大学院に進学するか、合格率が3%台と非常に低い司法試験予備試験を突破する他ありません。
法曹を目指すために法学部への進学をするのか、公務員を目指すために法学部へ進学するのか。自身の将来設計に合わせてよく考えてみましょう。
ただ一つ言えるのは、もし金融業や民間への就職を考えて法学部を進路とするのであれば、受験科目に数学を入れるべきということです。
大学の講義には数学的科目がありますが、それに無理なくついていくために、あらかじめ数学の学習は行っていた方が良いでしょう。
自身の志望校はどのような進路を辿る卒業生が多いのか、まだまだ先の話だと思わずにあらかじめ公式ホームページなどで見ておきましょう。
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